AV落人辻丸の言霊〜殉教録〜

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zoom RSS この道より・・・

<<   作成日時 : 2011/12/29 19:58   >>

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今年・・・もうすぐ終わろうとしている。
僕は生きてしまった。
どうしてか、生きていてしまった。
何のために・・・誰かのために・・・・?



1月
「無能の人」(91年 竹中直人監督・主演)
こういう映画を見てから始めた2011年。
無能は変わらない。
後ろ姿は変わりばえしない。

「人間の条件」第一部第二部第三部第四部(59年 小林正樹監督・仲代達矢主演)
解放という名の制圧。
防人という名の屠殺場。
これが戦争だ。
誰かにとっての希望?だ。
人間としての条件なんていらない・・・儲かれば・・・楽しければ・・・ふざけてやっただけ・・・加害者の条件。
英雄なんて、一級の人物なんて・・・どこにもいない。
独裁者だらけ。
つまりオネダリ妻だらけ。

「狂った果実」(81年 根岸吉太郎監督・本間優二主演)
いっそ黙ってしまおう。
せめてこの胸が裂けるまで。
沈黙こそ真実。
誰も聞かない。
あなたを、訊かない。

2月
「人間の条件」第五部第六部(61年)
主人公は死ななければならない。
人間として生きようとしたからこそ、殺されなければならない。
盗っ人に堕ちて、行き倒れに果てて・・・。
誰のせいだ?
誰が始めた?
誰が決めた?

「EUREKA」(2001年 青山真治監督・役所広司主演)
名もなき被害者を無視し尽くす、高慢極まる、許せない映画。
元被害者だから、どんな加害も許されるとでも言うのか?
生きろとは言わん!だが、死なんでくれ?!
死んでしまった被害者はもう、生きることも死ぬことすら出来ない。
映画を見ることも、賞を獲ることも、美女を妻に迎えることも、大物女優を気取ることも叶わない。
理不尽に殺された側には、法律も更正も良心も、"事情"とやらも一切無関係。
全てが奪われたんだ。
何もかも失ってしまったんだ。
身勝手な他人のために。
ナルシスなエゴのために。
それなのに、死なんでくれ?
結構なことだ。
それが現代人の"条件"らしい。
誰が決めた?
誰が始めた?
誰が笑う?

「日本暗殺秘録」(69年 中島貞夫監督・千葉真一主演)
そのくせ"愛する者を守るため"には死ね!と言う。
"愛する者"がいないようなヤツは自殺しろ!と説教する。
そして若者たちは自殺している。
病気よりも事故よりも、殺人よりも自殺を選ぶ。
死ね!とわめく輩を暗殺する方が・・・持たざる者が、飽食の者を下した方が・・・。
何も変わらなくてもいい。
"天罰"とは、弱い者、無力な者、名も無き者、苦痛にあえぐ者・・・彼らだけに操れる最期の鉄槌だ。
強い者、権力の者、肩書きを振りかざす者、加虐の愉悦に浸る者・・・我欲の権化にこそ打ち下ろされるべきものだ。
真っ先に消えればいいんだ!
正しい人々のために。
あなたのように、人知れず耐え忍んでいる人のために・・・。

3月

地震

その瞬間、僕は死を夢見た。
この世を穏やかに、我ながら驚くほど淡々と見限った。
静かに見棄てた。
その瞬間だけ、だったが・・・僕は生きた。

「夜と霧」(55年 アラン・レネ監督)
あれからずっと夜だ。
深い霧だ。
今だに暗黒だ。
どこかで"シューソク"とわめいている。
マラソン大会もオリンピックも当然のこととして、発令される。
望んだのは我々だから。
独裁を待望したのは自分達なのだから。
誰も悪くないんだよ・・・。
身内だから。
ワタシは停電すら経験していないから。
僕は凍えた。
毎日3時間も死ぬ思いで耐えた。
イジメられっ子だけが必ず言われる。
誰も悪くないんだよ。
イジメは無かった。
収束したから。
英雄がそんなことするはずがございません!

4月
「たまもの」(2004年 いまおかしんじ監督・林由美香主演)
この映画がロケされたスタジオのすぐ裏に僕は当時住んでいた。
僕がまったく知らないうちに、由美香は演じ、由美香は消えた。
彼女のことを僕は何も知らない。
それでいい。
人は知らないことを知ったふりしたいがために、怒鳴り散らす、馬鹿バカとわめく、恥知らずな勇名を気取る。
カネと権力が欲しいだけなのに。
自分さえいい目をみれば、例えば車をもらったり、高級ホテルに泊まったり、メイク代にウン万も・・・そんなことしか考えていないくせに・・・。

「鉛の墓標」(64年 若松孝二監督・野上正義主演)
たった三度しかお会いしたことのない名優の死を僕はこの時まで知らなかった。
僕には知らないことが多すぎる。
僕は謝りたい。
逝ってしまった人たちに。
もう何も訴えられなくなった人々に。

5月
団鬼六氏、死去。
中二の時、その著書によって僕の人生は変わった。
決定ずけられた。

「レスラー」(2008年 ダーレン・アロノフスキー監督・ミッキー・ローク主演)
そして僕は、ある意味、この主人公のようになった。
一つ覚え・・・生涯、ただの一つ覚え。
僕はまだ死んでいない。
まだラストダイブのリングに迎えられてはいない。
その時、僕は跳ぶだろうか?
誰かを振り捨ててでも、「行かなきゃ」と、笑顔で臨むだろうか?
決めるのは君たち観客だとレスラーはマイクで答える。
僕はAV女優に問うのかもしれない。
罵倒しながら、答えているのかもしれない。
僕を翔ばせるのは君たちだ。
それだけが、生涯、僕に出来たことだ。

6月

人生の半分以上が過ぎた。
生きてこられたことが信じられない。
僕みたいな、ろくでなし、が。
僕のような卑怯者が。
ただ・・・生きていてほしい、と願う人たちがいる。
死なないでほしい、と心から祈る名もなき人々がいる。
断じて"加害者"ではない、無力でちっぽけな"いじめられっ仔"・・・。
あなた方といたい。
まだ、もう少し・・・そっと、いたい。

7月
原田芳雄氏死去。
人はいつか死ぬ。
その時、人は泣く。
己に泣く。
それでいいんだ。
それが人間なんだ。
涙が、条件なんだ。
生きるための、幸せのための、愛のための・・・。
あなたのための。
泣いて下さい。

「飢餓海峡」(65年 内田吐夢監督 三国連太郎主演)
飢餓が悪い。
飢えを強いる輩が悪い。
どうしてそれを、みんな隠す、誤魔化す、見ぬふりをする・・・。

8月
「さすらいの恋人 眩暈」(78年 小沼勝監督・小川恵主演)
僕が17歳の時に見た成人映画。
まさかこの年でまた再見出来るとは思わなかった。
テーマ曲は"わかれ唄"
いつも目覚めれば、独り・・・・。

9月
「美代子阿佐ヶ谷気分」(2009年 坪田義史監督・水橋研二主演)
消えた漫画家。
消えた男優。
でも漫画家は独りじゃない。
何がどうなろうと、彼は独りじゃない。
その重みを、その絶対を、その尊さを、その輝きを・・・あなたは知っている。
僕もあなたも、あなた方も知っている。
漫画家は幸福だ。
独りは不幸だ。
許されない、どうしようもない、無限の慟哭だ。
それを分かってほしい。
独りじゃない人々に、ほんの少しでいいから、受け止めてほしい。

10月
「きけ、わだつみの声」(50年 関川秀雄監督・伊豆肇主演)
戦争で片足を失くした人が出演している。
それなのに我々は何をしている。
何をしようとしている?
これが希望か?!

11月
風邪を一ヶ月ひいた。
生きている証拠が、しかし僕を冥土へ誘惑した。
その程度の人間だ。

「温泉あんま芸者」(68年 石井輝男監督・橘ますみ主演)
艶笑ドタバタお下品喜劇である。
それほど面白くはなかった。
ただ一点、セリフに引用されたこの一節。

"この道より 我を生かす道なし この道を歩く"(武者小路実篤)

最低と揶揄されながら、ひたすら大衆娯楽映画を量産した名職人監督と、そのスタッフ、キャスト、映画人たち・・・。
下劣の道。
低俗の道。
それはポルノ、エロ、グロ・・・AVの道。
僕の道はAVの道。
この道より、僕を生かす道なし。
24年も生かしてくれた道なし、この道を歩く。
50になっても歩く。
走れなくなったかもしれないけど、僕は歩く。
だから・・・。

「ロッキー・ザ・ファイナル」(2006年 シルヴェスター・スタローン監督・主演)
僕はこの映画に感動してしまう。
いや、この映画に沿いたいと願う。
僕は闘えない。
でもまだ歩ける。
あなたと歩ける。

12月
格闘物AVに出演した。
ずいぶん久しぶりの気がしたが、たかだか2年ぶりである。
それでも我が肉体の衰えはひどかった。
道場は去年辞めた。
風邪でストレッチさえ怠っていた。
もう元の体には多分戻れない。
「じいさん」「お前もいずれそうなる」(「ロッキー・ザ・ファイナル」より)
そうなった。
当たり前のことだが、僕は今、ファイナルの中にいる。
あなたもそうかもしれない。
まだ若いのに、僕よりずっと、わずかの人生しか送ってきていないのに・・・誰かのせいで、奴らのせいで、イジメのせいで・・・あなたも、あなた方も、ファイナルを突きつけられている。
だけど・・・だけど。

「ああ決戦航空隊」(74年 山下耕作監督・鶴田浩二主演)

組織に忠実なものは、いつかは裏切られる、忠実であればあるほど裏切られる、そういう孤独な立場に置かれた人間こそ、最高の思想家であり、その孤高の魂が一番美しいのだ(「日本暗殺秘録」「ああ決戦航空隊」の脚本家・笠原和夫)

「武士道残酷物語」(63年 今井正監督・中村錦之助主演)

"私はまたかつて、中国大陸でゲリラが逃げ込んだ村の村人を狩り出し、大きな穴を掘らせ、その中に村人を埋めた話、女をはだかにし、一生懸命逃げるのをまるで兎か何かを狩るように、撃った話を何の良心のカシャクもなく、むしろ懐旧の念にかられて語る人に会ったことがあります。その人は、社会的に地位もある人であり、何ということであろうかと、私の心は暗たんとしたことを覚えています"(今井正 キネマ旬報より)

あなたは裏切られた。
あなたは孤独に追いやられた。
あなたはハダカにされ、狩り出され、そして無残に虐殺された。
楽しそうな奴らに。
組織の長の奴らに。

「怪奇大作戦」第八話・「光る通り魔」(68年 円谷一監督・岸田森主演)

今日、見たテレビドラマ。
"世間の秩序を守り、規則を守り、その世間に裏切られ、遂には死にまで追いつめられていった実直で気の弱い平凡な男が、もし、もう一度生まれ変われたとしたら・・・"(シナリオ準備稿より)
彼は燐光人間という怪物になります。
そして愛した人の結婚式の場で、焼き殺されます。

「私たち・・・ひとりじゃ生きられないのね」(「武士道残酷物語」より)

そうです。
だから、あなたは生きているんです。
まだまだ決してファイナルを迎えることなく、あなたはあなたの人生を生き抜く資格が残されているんです。
あなたには思想があるから。
あなたは美しい魂を持っているから。
それは、裏切らない、狩り出さない、殺さない・・・実直で気の弱い・・・だから最高に清らかな・・・兎でも怪物でもない、あなたという人間です。
あなたの道を生きて下さい。
あなたの道を歩いて下さい。
あなたは、ひとりじゃない。
生きられるんです。
生きていて、いいんです。
今年は重かったですか?
しんどかったですか?
堪らなかったですか?
僕の一年はこうでした。
こんな、でした。
そして来年も生きます。
あなたと一緒に。
あなた方と一緒に。
あなたが愛する人たちと一緒に。
これだけが願いです。
何もかもが滅ぼうとも、僕の祈りです。
あなたを祈ります。
この道より
この道より

あなたと歩く・・・・




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内 容 ニックネーム/日時

今年も辻丸さんの言葉に触れたいです。
生き続けると考えると、重く苦しいので
一日の単位で生きようと思います。
辻丸さん、お身体大事になさって下さいね。



ブランカ
2012/01/09 02:19
ありがとう。
一日のうちの、ひと雫を感じて下さい。あなたを・・・。
AV落人
2012/01/09 13:32

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