AV落人辻丸の言霊〜殉教録〜

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zoom RSS 映画メモ拾遺編・・「Mishima」「絞死刑」「地獄」「乾いた花」

<<   作成日時 : 2009/08/02 13:08   >>

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やはり日記から映画短評を。
僕はこんな映画ばかり見ている。
だから、変わり映えもない・・・。


「Mishima :A Life In Four Capters」
85年 米=日 監督ポール・シュレイダー 脚本ポール&レナード・シュレイダー 製作総指揮フランシス・コッポラ&ジョージ・ルーカス 音楽フィリップ・グラス 出演緒形拳 沢田研二  塩野谷正幸 永島敏行 坂東八十助 李礼仙 左幸子 三上博史 佐藤浩市 徳井優 沖直美 烏丸せつ子 織本順吉 加藤治子 平田満 勝野洋 横尾忠則 新井康弘 万田久子 大谷直子 高倉美貴 倉田保昭 誠直也 江角英明 細川俊夫 根上淳 池部良 

アメリカ人が撮った"日本映画"。
日本人が日本の劇場で見れない"三島映画"。
日本ロケ、日本語セリフによる、完璧な日本人の物語である。
そして、作家三島由紀夫による自衛隊篭城から割腹までのドキュメンタルドラマと、三島著作の三つの小説世界が目くるめくイメージ劇として交錯している。
"美"を求め、己の虚弱を呪った幼年時代(「金閣寺」)。
"行動"に目覚め、己を鍛えた人工の時代(「鏡子の家」)。
そして"文武"を夢想し、盾の会や役者、モデル等パフォーマンスに没頭した「リハーサル」の時代(「奔馬」)。
これらの総決算が、ラストの壮大なる本番ともいうべき"クーデター"と"自決"に昇華する。
それが鬼才ユキオ・ミシマの自ら切望した大団円。
永遠の早熟少年三島由紀夫の豊饒たる独演舞台。
彼は生涯、稚児の如く戯れるだけの人生だった。
所詮は現実から浮遊して、虚飾に溺れるのみの高等遊民だった。
あまりに特異な、けれどあまりにも人間的な・・・。
誰もが夢のなかで死にたい。
ロマンという名の胎内で、赤子のように泣いて鳴いて啼きまくって、汚俗なるこの現世からグッドバイしたい。
究極の"美"は、死の"日輪"にこそ、あり。
笑わば、笑え。
彼は、作家でもパフォーマーでもない"三島由紀夫"そのもので逝った。
僕もどうにか、そうありたい。
滑稽と退廃の彼方の、己が美学に殉教したい。

僕は本作を20年近く前、近所のレンタルビデオ屋で偶然見つけた。無論、輸入版(海賊版?)で、日本語のナレーションも字幕も入っておらず、だのにベッドシーンでの烏丸せつ子のヘアには自主的にか?ボカシが施されていた。

そして今回、米版DVDで再見したのだが、驚くなかれ、緒形拳自らのナレーションと日本語字幕がちゃんと入っている(特典映像には、笠智衆出演の未公開シーンまで!)
「ラストサムライ」や「SAYURI」では当然のごとくサムライやゲイシャが英語でペラペラしゃべっているのだから・・・さすが高倉健主演「ザ・ヤクザ」や長谷川和彦監督「太陽を盗んだ男」を執筆したポール&レナード兄弟ならでは!
その、日本と日本人への畏敬の姿勢には頭が下がる。

これほど真摯な映画が、今だ日本でのみ上映不可とは、あまりにも痛恨!
しかし、まさしく命を賭けて"若き武士たち"に絶叫の特攻を果たし、空しく散った三島にとっては、これもまた哀爛たる終幕の名残り香であるのかもしれない・・・・・。


「絞死刑」
68年 日 監督大島渚 脚本田村孟 佐々木守 深尾道典 大島渚 出演ユン・ユウドウ 渡辺文雄 小山明子 佐藤慶 戸浦六宏 石堂淑朗 足立正生 小松方正 

40年経った・・・状況は変わった・・・いや、流れた・・・転向した?
僕が初めてこの映画を見たのは二十歳の時。僕も変わった。転向した?
今日、見直してみて、あの頃とはずいぶん印象が違った。国家、民族、戦争、差別、貧困、死刑・・・。
一切名前のない登場人物たちが皆、被害者に見えた。
クニの、法の、仕事の、民族の、思想の、時代の・・・。
しかし同時に彼らは一人残らず、加害者だ。
強姦殺人の、戦争の、死刑の、革命の・・・。
だから主人公である唯一抹殺される青年は、こうつぶやく。
「わかっています。だから、ぼくはひきうけるんです。あなた方を含めて、すべてのRのために、Rであることをひきうけて、いま、死にます」
AV界も同じかもしれない。
みんな、被害者・・・業界の、カネの、仕事の、性欲の、虚栄の、孤独の・・・。
同時に間違いなく、みんな、加害者・・・売春、堕胎、猥褻、醜悪、不毛、インモラル、倒錯、純愛・・・人間そのものへの・・・罪人。
僕は、ひきうけない。
誰も、ひきうけたりしない。
それでも死ぬ。
いつかは、死ぬ。
みんな、処刑される。
ただ、このセリフだけは、27年間忘れたことはない。
「今まで自分にはもしかしたら罪があるかもしれないと思ったこともありました。しかしぼくは無罪です。ぼくを有罪にしようとするものがある限り、つまり国家がある限り、ぼくは無罪です」
AVというものがある限り。
つまり、人間がある限り・・・僕は・・・。


「地獄」
60年 日 監督中川信夫 製作大蔵貢 出演天知茂 沼田曜一 三ツ矢歌子 林寛 嵐寛寿郎

とにかく地獄の映画である。
上映一時間後、登場人物が全員死んでしまう。
殺し殺され、自殺に事故死に病死に中毒死・・・。
この世の地獄、あの世の地獄。
この世が暗黒、あの世が爛熟。
誰ひとり、救われない。
ただの一つの命も守護されない。
まるでもう、生きていること自体が、罪であるように。
生まれてくることそのものに、罰が加えられるように。
人間とは所詮そうなのかもしれない。
命こそが、最高の業なのかもしれない。
AV界も同じだろう。
イッて、地獄。
イかせて、地獄。
どんなに誤魔化そうと、隠蔽しようと、AVは罪業だ。
引退したからと抹消しても、青春の過ちと売りにしても、カリスマ気取りの小道具にしても・・・。
人生までは厚化粧できない。
命までは、整形、サイボーグでは済まされない。
死ぬときは、哀れ独りだ。
地獄に堕ちることを誰よりも知るのは、己自身だ。
閻魔大王には、カネもコネも、カラダもトークも通用しない。
AVは知っている。
あなたも、知っている。




「乾いた花」
63年 日 監督篠田正浩 出演池部良 加賀まりこ 杉浦直樹 藤木孝 山本礼三郎

この映画は無法、いや無用者たちのドラマである。
極道、博打打ち、殺し屋、ヤク中、不良娘・・・。
だが、彼らにとって、その全てはとっくにどうでもいいことなのだ。
刺そうが、賭けようが、打とうが、殺そうが、愛そうが・・・。
だから彼らは自分を許す。
法が、世間が、抗争相手が、愛人が、どんなにわめこうと、彼らはそうして生きるより他に術はない。
その先が塀の中であれ、あの世の果てであれ・・・。
博打か殺しでしか生の燃焼を得られない極北のやくざ者。
「(みんな)死んでるんだ。苦しまぎれに生きてる真似をしているだけだ」
「ただ、あいつを殺りながら、その瞬間こうでもしなけりゃ俺は生きられねぇと思ったよ」
僕も、死んでる。
苦しまぎれにAVやって、生きてる真似して・・・いや、僕だってそうだ・・・AVやりながら、その瞬間だけは、こうでもしなけりゃ、こんなことでもしていなければ、生きられない、生きていられない・・・と。
塀も死も恐れているくせに、僕は乾いている。
真っ白に乾ききる誰かに憧れたまま、いつか朽ちる・・・。









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出演:池部良(IKEBE RYO)/加賀まりこ(KAGA MARIKO)/藤木孝(FUJIKI TA


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