AV落人辻丸の言霊〜殉教録〜

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<<   作成日時 : 2005/12/21 19:39   >>

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「AVアイドルを舞台に上げてヤジとイジメで犯しまくる 完結編」(甲斐正明事務所)。
撮影から一週間経った。世の中、変わった。誰もが忘れた。とりあえずにせよ・・・。
でも僕は変わってない。まだ見ている。あの日の、あの日を、ひとりで見ている。
それが僕だ。変われないんだ。

あの日の現場を芸術、と書いた人がいる。
AVも、遂に「芸術」になった!
僕は、ゲイジュツ、という言葉は嫌いだ(ゲージツ家なんて称してる輩はもっと嫌いだ)。
権威主義の匂いがプンプンして、心底嫌だ。
AVが芸術なら、僕に言わせれば、フーゾクもアングラも、パチンコもファミレスも、プロレスもカラオケも、引き籠りもヤケ酒も、全部芸術だ。少なくともそれを堪能している本人にとっては、間違いなくアートだ。
芸術とは本来、そうあるべきものではないのか。
絵は、画くものだよ。
ダ・ビンチだって、そう言った。
マスは、カクものだよ。
「私達はイロモノじゃない!」
「今、私達の神聖なリングが汚されようとしています!」
若い女性が際どいコスチューム姿で、沢山の野郎達に向かって叫んでいた。
僕に言わせれば、文学も政治も、狂言もヘアヌードも、哲学もフィギュアスケートも、自分探しも勝ち組も、全部イロモノだ。少なくともそれでオナッてる野郎共がいる限り、間違いなくズリネタだ。
最近読んだ漫画のケッ作。
小さな女の子が将来の夢は政治家、と答える。母親が、なんで?と聞くと
「女大臣になって、ドレスを着るの(笑)」
人間のやることなんて、本来すべて、そんなものではないのか。

AVは、文句無しにイロモノだ。
またそれを必要とする人々にとっては、絶対の芸術だ。
どうして分ける必要がある?
どこに、虚栄に満ちた装飾語でハヤシたてる意味がある?
コンプレックス。逆差別。
よく言えば上昇志向、悪く言えば、寄らば大樹の選民思想。

僕の言葉嬲りを”芸”と書いてくれた人もいる。
評価されたのは、うれしい。
だが、僕は男優だ。プロのAV男優として、あの現場に参加した。
ギャラだって前作より少しアップしてもらった。たとえ絡みもなしの、口撃オンリーでも、僕はそれで十七年食ってきた。二本目だし、さらなるハイボルテージを約してのギャラ交渉だった。
結果は・・・監督次第。不合格なら、もう次はない。売れない男優が、さらに暇になるだけ。自業自得。
いずれにしても、僕は自分の仕事をした。自分の求められた役割を全うした。人前で全力で演じた。
これは別にごく普通の、芸、ではないのか?
他の誰も馬鹿馬鹿しくて本気でやろうともしなくても、僕しかマトモにやってなくても、これを人間の、芸、と呼ぶことがそんなに、奇妙なことか。大袈裟なことか。
ヤジなんて、イジメなんて・・・芸ではないのなら、じゃあ一体なんだ?
我々が、いや僕だけでもいい、カネをもらってそれで生きていることが、本来は芸と呼ばれる資格もない、今回だけは特別に、というのなら、芸ってなんだ?誰が決めるんだ?どこが認めるんだ?
どうして我々は、ことあるごとに、見えない何かへの、遠い高い誰か様への、お伺いを立てなくてはならないのか。

僕は、まったくのイロモノだ。
僕が売りにしているのは、ただのイジメだ。
それで、いい。
それで、充分。
結局、みんな芸術家になりたがる。芸として表彰されることに執着する。
あの方々に、恐れ多くも、あちらの皆様方に・・・。
よろこんでシモジモの者になろうと願う。そうすれば後はそれこそ、神聖な世界、自分達は汚れなき、選ばれた、ワタシ達。
その先は市民権か、インディーからメジャーか、オタクから大物か・・・。

あの日、舞台上のAV女優は何と言ったか。
AVは変なところじゃない。世間の偏見を無くしたい。だから私はおカネのためだけで仕事したくない。
それを皆はせせら笑った。寄ってたかって罵倒した。徹底的にバカ扱いした。
その人々が、芸術、ゲイジュツ・・・芸術はカネになるから、ゲージツ家になれば色んな所からカネをもらえるから。
偏見も市民権もどうでもいい。
カネのためならいくらでも戦う。どんな手を使ってでも勝たなきゃ始まらない。
でも、そんなもののために、昔のワイセツ裁判みたいなカネにもならない苦労なんて、まっぴら。
”ワイセツ、なぜ悪い!
国家はワイセツに嫉妬する!”
昔は烈しい人達がいたらしいけど、そんなのもう古い古い、ダサいダサい、流行りゃしない。
何を言っても、許されるから、寿司でも何でも食えるから、芸術バンザイ、神聖いのち、ワタシ達は、私たちは、我々は・・・・。

AVなんて色物、汚らわしい、次元が違う、一緒にするな・・・。
誰だってカネは欲しい。誰だって認められたい。
現代人はその本能だけで生きている。その回路だけで日々戦っている。
人を蹴落とすこと、何かをヤジること、誰かをイジメること、自分がゲージツ家と呼ばれること。
忘れながら生きている。忘れたふりをして生きている。
そして獲物を、犯しちゃ、ワイワイよろこぶ。

AVって、なんだ?
主演女優への最後の質問。
あなたにとって、AVって、なんですか?
僕は、このセリフこそ、あの日一番の、最大の、究極の、ヤジだったと思う。
素っ裸の彼女に対する、最も非情な、鬼畜のイジメ、だったと今でも思う。
AVは、イロモノだから。
AVは、芸術だから。
人間は、イロモノだから。
人間の生きざまは、すべてが一人残らず、ゲージツだから。

僕はまだ、この撮影の周辺ばかり書いている。
女優のことも監督のことも、現場のちゃんとしたルポすら、やっていない。
僕はダニ、なんだろう。バイキンみたいなものなんだろう。
AVは、僕にとってのAVは、今日書いたこと全部。
これから書くこと全部。
何のためでも、誰のためでもない。
AVは、全部。


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内 容 ニックネーム/日時
甲斐正明は唯のAV監督では無いと思っていますが、一度もお会いしたことがありません。前作にも出演なさってる辻丸さんの厳しい眼から見て、
甲斐監督はどんな人なんでしょう。今回の撮影についても雲に包まれたま
まですし、前作2本を購入し胸を熱くさせた覚えがあるので気になります。
また甲斐監督の新作「顔は東京カラダは車中」というのを今日観ました。
ラストで唸らされてしまいました。
辻丸さんは真実を語る審美眼の持ち主だと思うので聞いてみたいのですが。
東京大学2年男子
2005/12/25 17:31

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