AV落人辻丸の言霊〜殉教録〜

アクセスカウンタ

zoom RSS 『AV問題を考える会』というinfection

<<   作成日時 : 2018/09/25 13:33   >>

ガッツ(がんばれ!) ブログ気持玉 4 / トラックバック 0 / コメント 0

"爆破して飛び散った心の破片が 破片が 破片が そこら中で いつの間に私はこんなに弱くなったのだろう"鬼束ちひろ『infection』





(本稿は、5/26『AV問題を考える会』第1回シンポジウムについての極私的回想録です)

5月26日(土)15時開始、17時30分終了(途中休憩無し)
ゲスト5人(映画監督 大学准教授、AV監督、女優、AV女優・・・男2人、女3人)
入場者48名(スタッフ、取材含む・・・男29人、女19人)

前売り券の売れ行きは悪かった。
まったくの予想外で僕は動揺した。激しく動揺した。
「AV問題」・・・このメンバーでも、世間の食いつきはこんなものか。
僕は最初から絶望を出発点としていたのかもしれない。
「AV問題」・・・このタイトル自体が、もうすでにアナクロの極致ではなかったのか?
だが、当日が迫ってくるにつれて僕の中のそんな自虐的な諦念は霞み始めていた。
僕の心はシュミレーションに囚われてきていたから。
僕は開催前夜まで何度も一人ディスカッションしていた。
たったひとりで押し問答を繰り返し、答えのない掛け合いを独り芝居していた。
僕は"感染"していたのだ・・・infectionに。
それはもう止められなかった。
当日の開演寸前までそれは続いた。
だから、他のイベントなら定番だと言われるゲスト陣の別室での事前打ち合わせも僕はほとんど省いてしまった。
集まってくれたら、いい。
最初から会場にいてくれたらいい。
開場し、入場してくる様々な人々の渦をその場で感じ取ってほしい。
僕はゲスト陣に対してさえinfection(感染)を"強要"していたのかもしれない。
後で誰かから非難された。
でも僕は確信犯だった。
開演までゲスト陣を観客から隔離保護することを拒否し、最初から観客と共に・・・爆破させたかった。
心中?させたかった。
同じ破片になって飛び散ってしまってほしかった。
「AV問題」なんて、僕の主催のシンポジウムなんて・・こんなに弱いんだ、これだけの関心しか集めないんだ、会場後方は空席だらけなんだ、マスコミもほとんど来やしなかったんだ・・・。
いつの間に、「AV問題」は、こんなに弱くなったの・・だろう・・・・。
僕は一人一人に問いたかった。
ここまで来るのに2年。
今日は僕にとってのリベンジマッチ。
あの日、「検証ミーティング」での棄民扱いから僕にとっての『AV問題を考える会』・・・つまり僕以外の全てに向っての、空回りの恨み節が始まっていたのだった。

●当日、ホワイトボードに記した言葉。
自己責任(家父長制) 
同調圧力(共同幻想) 
偏見・差別(仮想敵) 
思考停止(忖度) 
集団化(ネット社会) 
表現の自由(人権) 
本番(モザイク) 
意識改革(自省) 
男尊女卑(性の抑圧)

「この会を始めたきっかけは」・・・ゲスト紹介に続いて僕は語り始めた。
2年前の丁度同じ5月、高円寺で開催された"人権団体からのAV被害報告書に対する公開検証ミーティング"
僕は無視された。
加害者の僕は、集まった業界側?から完全忌避された。
誰も僕の加害例には無関心を決め込み、もっぱら人権団体の被害報告書を叩き、業界の実態はクリーンという一言で片づけようとしていた。
元AV女優が、セックスワーカー支援者が、フェミ系ライターが・・・。
「昔の話でしょ?」
第二部で、僕は壇上から客席に下ろされた。
入れ替わりに登壇した有名AV監督が主役に座った。
彼は後に取材でこう答えた。
「強要は絶対ない!」
イベントスタッフだった女性ライターはこう書いた。
「あのお二人は、クリーンどころか、ゴールド!」
その元AV女優をあるライターがさらにこう書いた。
「共感出来るフェミニストである」
彼らは、被害者ではなくAV女優を守るための団体を後に作った。
そして、2年も経たないうちに「いい経験させてもらいました」と、解散?し、この問題から絶縁した。
スタッフの女性もその団体の一員だったが・・沈黙している。

会場全体への三つの質問
●AVをお金を払って(無料ダウンロード等ではなく)見るか?・・・結構イエスと挙手。
(意外だった。毎月やっている『お茶友の会』でのAVトークで同じ質問をしてもほとんど誰も手を挙げない)。
●「適正AV」という言葉を知っているか?・・・ほとんどイエス。
・その本当の意味(内容ではなく制作過程が合法適正)を知っているか?・・・あまり多くない。
(アダルトメディア研究家を名乗る人でさえ、「正常位しかやっちゃダメとか?」のレベルなのだから)
●出演強要被害者は自己責任か?・・・・約5人がイエス(女性、含む)。

参加者全員への質問から始めることは当初から狙っていた。
会場全体をいきなり巻き込みたかった。
ゲスト席と観客席の距離を無くしたかった。
そして三つのキーワード・・「AVは売れてない」「適正AV」「自己責任」。

"何とか上手く答えなくちゃ 
そしてこの舌に雑草が増えて行く"

ゲスト陣の挨拶。
男性「今現在のこの社会の抱える様々な問題とこのAV問題はクロスしている。特にここ数年この社会で起きている問題・・文書改ざん、伊藤詩織さん事件・・そうしたこと全部に繋がってくるので、参加した」
女性「2015年以降、ある程度の関心が得られて、この問題が社会問題化したと思うんですけど、出演強要問題という枠の中だけで考えていると、他の問題が抜け落ちてしまうのではないか?ネット拡散被害差別というネット時代の新しい問題、性差別など視野を広げて色んな角度からこの問題を見てはどうか?」
男性「数年前、この強要問題が起きた時、あっ来たな、痛いところ突かれたな、と強く思った。私も無自覚、あるいは自覚的な中で強要と言われるようなやり方で撮ってきた可能性はある、と十分認識しています。そして、来たな、と衝撃を受けてから、その後の展開を見ていますと、やはりその問題をきっかけに表現というものが物凄く狭められてきたと感じた。人権を無視して何でも表現させろという意味ではなく、AVは、AV表現上の性というものを縦軸にして、政治、文化、平和、平等、何でも描ける凄い可能性を秘めたメディアだと思う。それが、特に適正不適正にカテゴリ分けされ、その適正業界においては男女がただ部屋の中でセックスする以外に撮れないようなものにまで追い詰められている。
私は女優ではなく演者さんと呼んでいる。いい意味でその演者さんを追い詰め、いい演技をしてもらう、ということが、しかし今全て強要という形に繋がってきて、過敏になってきて、自分の撮りたいものが表現出来なくなってきて非常に心配でつらい。AVとはこんなに面白い、ということを強調しながら、法律の枠内でいいものを、ひとつの文化として撮って、次世代に繋げるべく努力模索している」
女性「AV業界に限らず、セクハラパワハラは閉鎖的な空間で起る。社会保障がない、労働組合がない、というようなところにもAV問題の原因があるのではないか」
女性「AV問題って無茶苦茶幅が広くて、未だによく分かっていない。今は塀の中でしか撮れないような状況らしい。ただエロは結構基本的に体育会系だと思う。無茶でもガッツ出していかないと、と」

ゲスト陣の自己紹介と現在の見解。
見事に分かれたそれぞれの立場からの視点。予想通り。
ちなみに監督とは20年来の付き合い、准教授とは今年に入ってから、映画監督とは対談以来二度目、女優二人とはこの日が初対面。
結局誰もお互いをよく知らないのかもしれない。
そんなシンポジウム?それも狙いだ。
誰もがまだこのAV問題に関しては"雑草"でいいのだから。
"何とか上手く答えなくちゃ"・・・そこにこそ意味がある。発露がある。誠実がある。
検証ミーティングの時みたいな自信家も、スターも、扇動者もいない。
誰も無視されてはならない。

★アンケート結果(回答32名 男18名 女14名)
年齢・20代10名 30代7名 40代7名 50代1名 60代1名
職業・会社員13名 学生7名 マスコミ3名 業界人2名 自営業2名
感想・大変満足12名 まあ満足13名 普通3名 やや不満2名 がっかり0名
次回も来たい29名 いいえ1名 

男性「表現の加害性とは、被写体への暴力性と、そして見る側にもあって、表現は人を傷つける。声が大きくなればなるほど人を傷つける可能性がある。このテーマを議論する前にまず、先程の"来たか"とはどういうことか、お聞きしたい」
男性「来たか、とは・・強要問題について、外部から『人権』という理念で投げかけられてきた場合、これに否定する正当化する論理が我々の側には見つからない、ということがショックだった。僕には被写体への加害性を正当化出来る論理は持ち合わせていない。だからこの問題が、表現規制というところまで行かないためにも業界は誠意を持って対応しないといけない、と過去発言したが、被害者無視だとかなり批判された」
男性「見る側への加害性、被写体に対しての暴力性。AVは今、特にそれが騒がれている。なぜAVに今こんなに問題がわき起こったのか?」
辻丸「ある人が言った。AVが売れなくなったからここ数年業界はクリーンになった、と。つまりそれまでは金で全て解決出来たから。トラブルが起きてもカネで黙らせることが可能だった。ところが業界が不景気になって、そちらに回す金が無くなった。それでもうトラブルは起こすな、となっていった」
では昔はどうだったか?」
僕は見聞してきた(当然、検証ミーティングでも語った)強要実例を幾つか挙げた。
例のカリスマナイス監督の無人島撮影・・・PV撮影と称して素人女性数人を無人島に連れて行き、深夜本番撮影を要請、断れば目の前にキャッシュを積んで睨めっこ。疲れ果て逃げる術もない素人女性達は渋々承諾・・・つまり巧みな合法レイプ?
当時会った被害女優2人の証言。
いずれも聞いていない本番、アナル強制。
しかし出来上がった作品ではボロボロのすっぴん顔ながら、あくまで笑顔・・・。
根底にある男尊女卑!
女優に対しての使い棄て意識。
トラブル起こすな、と言いつつ本質は変わっていないらしい。
ある無名のフリー女優のツィッター証言。
現場で突然の内容変更。
ではギャラアップを要求すると一度は拒否。(結果は円満解決したものの、新人の子一人だったらどうなっていたか・・)
意識改革!
どんなにルールを細かく作っても、それがなくては無理、元々業界の男達の根底にある男尊女卑的意識と商業主義が変わらない限りは!
女性「社会問題定義のメッセージ性あるドキュメンタリーと、性的欲求のみに応えるAVとは違うのでは?
男尊女卑についても、女性の決定権の問題は社会全体にある。断れない忖度してしまう女の子の気持ち。 
ノーとはなかなか言いにくい、まして表に出しにくい。勇気を出して語った被害者が世間からテストされてしまう。だから結局泣き寝入りという悪循環。AV問題はその象徴ではないか」
女性「男尊女卑。表現上においても、特にTVとか。男性ももっとエロ表現メディアに出ていくべきだ。女性のための風俗とかももっとあるべき。問うべきはそれぞれのモラル。前世代の伝統的なパワハラ等に反発する新しい世代がAV業界のみならず様々な業界に入ってくることで浄化されるような新しい風が今吹こうとしている」
女性「友達に、やりたくないことをやらされようしていた女優がいた。周りに忖度してしまっている。期待に応えようとしてしまう。こういう子がこの世界にいたら大変だと思った」

やはり作り手は、AV問題をまず"表現の自由"の問題と考えたいらしい。
彼らにとってはそれが一番切実なテーマだから。
悪く言えば、やはり彼らは"被害者"ではないから。女性ではないから。
結果的に僕は彼らの質問や意見を司会者のくせに早くも無視してしまった。
僕は表現以前の被害例を具体的に並べ、詳細をリアルに伝えた。
検証ミーティングの時みたいに誰も「昔の話でしょ?」などと一笑に付したりしなかった。
そして僕は最初から"男尊女卑"という大時代的な言葉を使った。
フェミとか、ジェンダーとか、ヘイトとか、レイシズムとか、そんな横文字はピンとこない。
これは男性的なるものと、女性的なるものとの、永遠の葛藤と矛盾と欺瞞なのだから。
女性陣は発言した。
被害女性の心情を。
性差を超えた次世代の改革宣言を。
そして当事者の見たリアルを。
僕を含めた"大時代な男達"に返す言葉はあるか?
でも少なくとも、検証ミーティングの時の男達みたいに誰も無視したりしない。取り巻きまがい?の女達からチヤホヤもされていない。"ゴールドな人間なんて、どこにもいない。

"鼓動を横切る影が  
また誰かの仮面を剥ぎ取ってしまう"

辻丸「現在、自発的な応募の子がどんなにほとんどでも、メーカーに言わせれば彼女達の多くは売れない。だから?みんな、必死な想いでAV女優をやりたがっている。安い仕事もこなし、普段の生活は撮影会やオフ会等、自分で稼いでいる。そんな彼女達の健気さを業界も利用していないか?」
観客席からの、ある業界人(男)の発言
男「AVの数、女優の数、が多すぎる。
AV女優がセックスワーカー的に差別されるという現実を分らずに〇〇マスカッツとかの女の子はやってる。
AVが薄利多売、自転車操業。結果、ますます売れなくなってきてる。
国家権力から、もうこれ以上AV女優を増やすな、素人を巻き込むな、という自粛要請が4月にあった。
しかし現実には、新人女優のデビューAVしか売れない。
でも、仮にお上のお達しに従って、今いる女優だけで業界回すと、また業界に金が昔のように回り出して、かつての様な強要が起こるのかも。
彼女のような主体性ある女優さんばかりだったら、苦しくない、面倒臭くない!
男尊女卑は確かにあるが、業界人が女性ばかりになっても強要はなくならない。女優にエグいことさせる女性マネジャーもいる」

全て言い訳にしか聞こえなかった。
多すぎる、と言いながら、自分もまだ撮っている、脱がせている、ヤらせている、稼いでいる。
全てはモテるため?
AVアイドル?に面と向かって、差別の話を出来る業界人がいるか?まさか、いない。
そんな話したら事務所から"ヤキを入れられる"。
昔のように業界に金がまた回り出したら強要が起こる?
それこそAV業界の真実!
だからこれ以上、女優でも素人でもない、被害者を巻き込むな!のお達し。
だが、業界人の本音は、苦しいのはイヤ、面倒なのはカンベン!
そして女でも強要する、とばかりに結局は巧みな責任転嫁。僕だけは女性の味方だよアピール。
男尊女卑思想は男女ともにある!
男並に尊ばれたい女達、弱い女を卑しい対象だと蔑んで優越感に浸りたい同性達。
責任に男も女もない。
"仮面を剥ぎ取られた"愚劣な選民思想があるのみだ。

会場から質問は?・・ない。
意外だった。
僕は慌てた。
もっと会場全体が白熱した議論百般になるのかと期待していた。
そのための冒頭の質問挙手だったのに・・・。
僕にはまだ客席が見えていなかったのかもしれない。
絶望がまだ尾を引いていたのかもしれない。
それでも僕は止まる事は出来なかった。
ゲストを巻き込む。
落ち着き払っているように見えるゲスト陣に火をつけようとする。
とんでもない高慢で非礼な暴挙だ。
だが、僕は"仮面を剥ぎ取る"ことにためらいはなかった。
僕の鼓動がそうさせてしまった。
これはリベンジマッチだったのだから。あの屈辱と欺瞞の検証ミーティングの・・・。

男性「社会性のあるドキュメンタリーと、AVという形でのドキュメンタリー、そこに基準はなくボーダレスでは?」
辻丸「でもAVは本番である。しかも見え見えのモザイクをかける日本的な建て前社会の産物である」
男性「僕がもしエロをテーマにドキュメント撮るなら本番させるかもしれない」
辻丸「本番ゆえの差別。管理売春だろ、女優なんて肉便器、といったネット上からの非難が絶えない」

会場全体への質問。
●AVでの本番は是か非か?・・是が大半。

辻丸「90年代までは7割が擬似。それがセルビデオ全盛になってから本番至上になった。その流れで来ただけで今の監督に、なぜ本番?と聞かれて理路整然と答えられる人がいるのか?惰性でしてるだけの思考停止。表現の自由なんて覚悟もなし」
男性「絡みがあるからAV、とはもう言えなくなってないか。ネット社会の中で、本番に拘らず、フェチ系を中心に視野がどんどん広がっている。本番=AVなら逆に簡単。
強要も確信犯なら楽。しなきゃいいんだから。でも、自分は強要しているという意識がない、撮影現場で女優に『頑張ろう』という言葉が強要と、とられたら・・こういう場合は難しい」
辻丸「セクハラと同じ。みんな、セクハラのつもりはなかった、と言う」
男性「イジメもそう。だから撮影に関しての女優との信頼関係を築きたいのだが、今のAV製作過程においては、本数が多すぎてそこまで時間がかけられない、という根深い問題がある」

"In the night  
I sit down as if I'm dead"(夜になれば 私は死んだように座り込んで)

本番、と簡単に言う。
特に男達はそう口を揃える。
見飽きているから。女優は皆、普通にやっているから。
でも、そうか?
売春ではないのか?肉便器と蔑称していないか?
それを決めているのは所詮、男達の側ではないのか?
何も考えてなどいない。
惰性と思考停止のままに、本番は是。
そこに"強要"なんて意識は皆無。「頑張ろう」と同じレベル。
仕事の現場なのだから・・・頑張って当たり前、本番が当たり前?!
そもそも今の男達に、本番をさせるための信頼関係を時間をかけて築こうなんて発想があるだろうか?
とっくに無くなっているから、今の制作過程においてはそんな時間も自由も完全無視されているのだ。
そういうAV村の常識過程を、業界は"適正"だと謳っている。
女優達にとって、本番は文字通り"夜"なのでは?
一日のラスト絡みは大抵、夜遅くの撮影だ。
もう彼女達は「死んだように」なっているのかもしれない。
現場で「座り込んで」いるのは、AV女優だけなのかもしれない。
その時、彼女達の言葉は、外国語?だ。
けれど、歌っている間、訳は入らない。
彼女達の言葉の意味を、直訳を、聞いたふりをしている業界の男達は誰も分かっていない。

観客席(男)からの質問
●AVという仕事は特殊か?他の仕事とまったく違うのか?
一人を除いてゲストはほぼ、特殊だと。

男性「人々のニーズに応える仕事だから特殊ではない。男尊女卑というよりも、男女の性差の違い。フィジカルな意味じゃなくて、男は女を求めますよね、女性も男性を求めるんでしょうけど、大体動物でもオスがアプローチしてメスが選択する。つまりメスが優位。その性差があるからこそ、こういう産業が生まれるわけで、つまり当たり前に女性も男性を買うような社会になればもっと普遍的な仕事になるだろうが、今のところそうではない、その回路が女性側にないからこそ、こういう歪みが生じている。そういう意味では、特殊なジャンルですよね。だから単純に特殊か普遍的かとは言えないから挙手しなかった」
男性「AVというものが、性という人間の根源的な、その人のプライドに通じるものを撮るから、そのプライド尊厳というものが、物凄く社会的評価にも繋がるから、その点で不特定多数と性交渉するAV女優という職業は特殊と考えられる」
女性「本番性行為という仕事は、筋肉等を使う一般労働ではなく、内臓を酷使して働く仕事。だから特殊だと思った」
女性「演者が特殊。業界自体は他の映像産業とほとんど変わらない。ただ有害業務とされているのでセックスワークとして成り立たないはず。だから労働者にはなれないので、プロダクションが労働者として派遣した場合は労働者派遣法、職業安定法等に引っ掛かる。そこでホステスなどと同じ個人事業主という形をとる。だがそこでメーカーと女優個人が同等の立場でやり合えるのか、個人と企業という力関係を考えると難しいのでは。さらに世間から偏見差別を引退後もずっと受けるという、他の仕事とかとは違う特殊性があると思う」
女性「逆に私は特殊でないとダメだと思う。この仕事が普通になったら返って怖い。小学生の成りたい職業ランキングにキャパ嬢がベスト1になったと、かつて聞いて恐ろしかった。そこにAV女優、なんてなったらもっと怖い。だって現場は全然キラキラしてない。実際は本当に体育会系というか、もう汗水たらして筋肉痛みたいな、のが全然普通で。だから何も知らない子が夢を描いて入ってくるのは怖い。また親や家族に隠してやってる子も多いと思う。堂々と言えるのが普通の仕事だと思う」

特殊であるがゆえの価値。
だが、それゆえの差別。
だからこそのゾーニング。
やはり男にとってAV女優は見るだけの対象。女性とは、男が一方的に判断する相手。
男はプライドという言葉を使い、女は"内臓"だと言う。
この決定的、根源的な違い、容量の差。
そこにはすでに対等意識などない。
女が優位、と言いながら力関係を無視して個人事業主のレッテルでもって責任回避を計る男社会。
AV女優が特殊でなく普通になったら、本当に困るのは、男か女か?
甘えた精神性のみの男側か、内臓をダイレクトに感じる女側か。
考えるしかない。
人間は誰しも、男か女か、単純に分けられている。そう認識し自覚させられてしまう。
だが、現実はもっと複雑で、恐ろしくて、普遍的ではない。
だから、簡単に挙手してはならない。

"爆破して飛び散った 
心の破片が 
そこら中できらきら光っているけど"

会場への質問
●知人、身内がAV女優だと分かったら抵抗なく付き合っていけるか?止めるか?
抵抗ある人・・・少なくない。

男性「とりあえず止める。その理由は、この仕事自体に特殊性がなくても、社会の目線というものがある。この場合の根源は羞恥心。これは出してはいけないもの、みたいな。その延長で、とりあえず背中は押さないだろう」
男性「自分の子供がAVに出たいと言ったらどうする?と凄くよく聞かれる。一番答えにくいし、答えないようにしている。まずリスク説明をする。報酬もそれに対してリカバリー出来てないよと。
性という普遍的な、誰でも出来るだけ多く享受したいと思っている人達と、性は特殊だから差別していく人たちと、意外に表裏一体で同じだと思う。だから面白いし特殊性がある業界だと」

男達はAVを見る。AVを作る。
そしてAV女優を楽しむ。
だが、彼女達が身内となるや、男達は妙に教条的?になる。倫理的なことまで言い始める。
そして大概は・・止めにかかる。
他の女ならいいけど、お前は・・・と。
まさに表裏一体。
それを面白がれるのは、全てのAV女優が他人でいる間だけ。
ひょっとして男達が本当に「AV問題を考え」始めるのは、AV女優を身内として、つまりファンタジー上の赤の他人ではなく、生身の人間として理解し始めた時からなのかもしれない。
男達にとって、その瞬間はまさに己自身が"爆破して飛び散った"ような気分だろう。
それは女優達だって同じだ。
でも彼女達の"心の破片"は"そこら中できらきら光っている"。

辻丸「なぜかAV問題だけが、MeToo運動からカヤの外にされている」
●会場からの女性の発言
「聞いてておかしいなと思った点・・・AV問題で表現の自由が狭められた?被害者側の視点から見てほしい。本番、露出、無修正、生中出し・・ますます抑制装置が働くなっている。
表現の自由という一般論とAV強要を比較して正当化するのは違うのではないか。トラブルを矮小化してしまってる。
需要と供給、実は一致していないのではないか?一致していればスカウトマンなどいらないはず。
差別しているのは作り手と消費者。タイトルなど「孕ませろ」とかあまりに女性差別的な表現が強過ぎる。ニーズする側にも問題あり。
被害者が辞められない理由は、この業界でしか生きていけない、その覚悟を求められる。その覚悟は、諦め、を美化した言葉だ。承認欲求が満たされても一時的なもの。共依存のようなものになっている。
辞めても何も残らなくて苦しんでいる人が大勢いる」

"いつの間に私は
こんなに弱くなったのだろう"

作り手と消費者・・・ほとんどが男。
当然、優先順位は表現と商売、需要と供給がトップ。
被害、抑制、トラブル、差別・・MeTooなど、後の後。
自由、覚悟という美辞で装飾された業界生存。
女優は辞めても何も残らず、男達もまたほんの一時の刹那的な享楽で後には何も残りはしない。
これが共依存だとしたら・・おかしい、と感じなくてはならない。
考えつつ、違和感を失ってはならない。
我々は加害者なのだから。
加害者として、MeTooと向き合っていかなければ、始まらないのだから。

男性「二つ、問いたい。AVが売れなくなったから強要が増えた・・・のなら需要がこのまま無くなっていけば供給も減って落ち着くのでは?今は過渡期なだけの現象ではないのか?
従軍慰安婦の問題にも繋がるのだが、軍隊などでの我慢させない男社会の甘え、ずるさがある。慰安婦に対して仮に志願があったとしても、志願者がいたからと言って問題ないことなんてない。自発的AV女優もそう。
古くて新しい問題だ」
辻丸「縮小淘汰されても、地下やネットにもぐる。それこそ確信犯的な強要が起こる。それをどうにかするためにAV人権倫理機構なるものが業界内に出来た。けれど大手メーカーの団体IPPA加盟が適正AVと謳っているが、当事者たる女優にはろくにヒアリングしない、撮影現場視察もしない、所詮メーカーやプロダクションを守りたいだけ。
『現場視察?どうせクリーンな風にしか見せないでしょ?』
『被害告発者?向こうが来ればヒアリングしてやる』
とか言うばかり。あげく女優供給の道を絶ち、IPPA加盟社のみを守って、他は地下にもぐらせようとしている。
これらの点で、AVが売れなくなっても根本的な解決は難しいかも。
また、同じ業界内でなぜこんなにバッシングするのか?
トップ女優『言った者勝ち』
元有名カリスマ男優『あなたに落ち度はなかったんですか?』
女性ライターで、業界団体広報『鷹さん、説得力あるなあ』
やはり男尊女卑、全ては自分たちを守るために!」
男性「実際、4月から女優を供給されていない。そして非加盟メーカーはネットを駆使して新しい供給方法を行っているようだが、IPPA加盟メーカーのように可視化されていない。かなり手荒い方法でネットから女性を引っ張っているらしい。何とかしないと。適正不適正という問題は、業界全体を左右することであり、恐ろしい」
辻丸「つまり集団化している。思考停止のまま。実態を知ろうともしない倫理機構が勝手にルールを決めて、適正以外は地下にもぐれ、と言わんばかり。強要はあの連中がやってる、という同調圧力、印象操作。売れ行き云々関係なく、今業界はこんな現状」

僕はまた外からの希望的観測を否定した。
その理由としてAV人権倫理機構をヤリ玉に挙げた。さらに同じ業界人をバッシングした。
適正なんてどこにもない。全てが不適正。
売れても売れなくなっても、結局はどこまでも、いつまでも不適正。
よって僕こそが、この「AV問題」に関しては、不適正?
かもしれない。
僕はセンセイともカリスマとも呼ばれていない。
「共感すべきフェミニスト」なんかでは、もちろんない。
全てはジェラシーか?
そう言われてもいい。
土台、リベンジマッチなのだから。
そして勝ち負けなど最初から求めていない。
反則負け、ノーコンテスト、没収試合・・・両者反則・・・永久追放?
構いはしない。
「言った者勝ち」だろ?適正AV業界の皆さん!
「あなたに落ち度はなかったんですか」?
「どうせクリーンな風にしか見せないでしょ」説得力あるなぁ。

★アンケート結果
「辻丸の語り、邪魔!」
「もっと具体的な話が出来れば良かった」
「論点が分散しており、若干ついていくのが大変だった」
「辻丸さんには、これからも先導していただきたい」
「もっと会場からの意見を聞いてほしかった」
「辻丸の独演会ではない!」

"足が竦んでしまう事も
気にならない振りをして居るの"

女性「女性が語れない、語る空間がない、という点が本当に如実。今日もそうだが、こういう問題を語る場合、基本的に男性がテーマを決めて話の主導権を握っている。大体の女性は補足的な説明をする。すると、自分達で持ち上げた問題ではないし、語れなくなってしまう、雰囲気作りがすでに数の原理、場の雰囲気、問題設定の中で作られている、女性が凄く入りにくい、女性の中でもどんどん女性の男性化を目指している。女性がどういう点に苦しんでいるのか、どういうところが問題なんだろうか、という点に視点が上がっていないような気がする。自己決定権、ということ自体、男性的な考え、男性的な主体で、社会の中で女性がそういった主体の作り方をすると大変男性から毛嫌いされるという社会状況がある。主体の形成自体が男に愛されるための、誰かの視点(男の価値観)を通じて、初めて主体になれる、という:現状。そういう点を無視して男の側から女性もこうすればいいとか言われて議論しても問題解決には結びつかないと、今実感した」
女性「承認欲ゆえに断れなくなる、については虐待の問題にも関わる。
そもそもAVというのは、あっていいのか?
三大欲求、食欲性欲睡眠欲、性欲だけが一人では満たされない、相手を必要とする特殊性がある。それは自分の決定権において決めて行かなければならない。自分が湧き出る欲求を抑えられないからAVを使う、という意見をネットでよく見るが、AVが無くなったら性犯罪が増えるといった意見は違うのでは?幼児性愛など、自分で抑えられないのなら人ではない!大人になったら自分の欲求は自分で管理するのが当然。
元々は一人でなさなければならないことを、誰か第三者を使って自分の欲求を満たしているということは、そもそもAV業界自体が誰かを傷つけなければ成り立たないということ、の上に立っているのではないか、と考えた」
辻丸「ある性被害女性がツィッターで、AVなんか見てる男達が同じ目で私を見てるのかと思うと怖くて外を歩けない、と訴えていた」

ここから唐突に女性達の反撃が始まった。
いや、唐突でも何でもないのかもしれない。
必然だ。僕を筆頭に、ここまで言いたい放題だった男達。
そんな男主導のシンポジウム自体が、男尊女卑であり、AVという男のためのメディアへの遠回しの支援に他ならない。
女性達はそんな無神経無自覚の男達への反論をとうとう開始した。
正直、僕は戸惑った。
しかし一方でこの瞬間を待っていた。
AVは糾弾されなければならない。
一度、足が竦むくらい、女達の憤怒によって揺り動かされなければならない。
気にならない振りをしていただけ。
そしてAVそのものの是非を改めて問う。

会場への質問
●本番AVは無くすべきか?
「・・・・」
●ピンク映画並に全部演技ならいいか?
演技ならいい、という声、主に女性側から多し。男性は一人だけ。
辻丸「無くなっても仕方ない、と思う。業界の勝ち組女性達はAVを、女性の性の解放とかフェミの勝利とか言ってるが、所詮男の都合のいいファンタジーに、どうしてフェミの勝利なのか?」

だが、ここでも僕は検証ミーティングを思い出していた。
あの日、自信満々にAV擁護し合っていた、肩書ある女達・・・。
己のしぶとさ、いや往生際の悪さに呆れつつ、けれど僕はすでにinfectionの真っ最中だったのだから。
それにしても演技ならいい、という女性陣の優しさ?おおらかさ?に僕はいつも舌を巻く。
男共ときたら・・・ナマじゃなきゃイヤ、モザイク濃すぎる、設定つけろ、胸のない女に興味なし、イベントで女優からの手売りじゃなきゃAVなんて金出してまで買わない・・・。

"私の愚かな病は 
だんだんひどくなっていくばかり"

男性「性というのはもっと広いので、そちらの可能性を追求していきたい。だから性の表現は必要だと思う」
女性「性表現は必要なら必要でいいが、その体制が出来ていない。警察の自粛要請や従軍慰安婦問題でもそうだが、素人とプロの女性の二分化、純粋無垢の素人なら救済するけど、(セックスワーカーとか)そういう女ならそういう人生を受け容れなさい、AVというものが、そういう思想を体制として作り出している、そこに加担しているという点は否定出来ないのではないか。だからその体制があるままで、性の表現を追求するというのは、その差別や体制をどうしていくんですか、というところまで答えてもらわないと、男性目線の、男性が見たいものを作るというところへ陥ってしまうかと。
多くの男性は使い分けている。AVとかを認めておきながら、家族、カノジョなら止めるとか差別するとか、そういう区分けのような意識の現状、ジェンダーイデオロギーが内面化している中では、性の追求だけを求めるのは無理かと。社会全体の男性意識の問題。それがあるから元AV女優とかで差別される。そこまで業界は考えているのか?」
女性「性は表に出してはいけないもの、というように、性教育が日本は弱い。男性経験があるからそういう女性なんだとか、純潔を守る女性は素晴らしいというような思想を排除しないといけない。男女平等にもっとすべし。性経験だけで差別する社会。性教育の弱さにも原因がある」
辻丸「日本独特の家父長制。国や家が大事。女性は犠牲になれ、とか。だけど本番にはモザイクかけて、本音と建て前で、いかにも綺麗にやってますよ、みたいな。
被害者のバッシングがひどい!自発的な女優への前向き発言へのバッシングもひどい。日本は戦前から進歩してない」

体制、態勢、大勢・・言葉はいずれであっても、それを支えるのは男達の意識。
それが差別、経済、教育にまで行き渡ってしまう。
家父長制・・僕はまたアナクロな言葉を選んだ。
だが、それは変わらないから。
この国の男社会が変わらないから。
何よりAV業界の男達が変わらないから。
そしてあの日、『AV問題を考える会』に集まっていた僕を含む男達全員がやっぱり変わってなどいなかったから。
だから彼女達は訴えた。
男達の愚かさに向って堂々と吼えた。
これでいい。
AV問題は、これでいい。
僕はこのまま女性達にこの会を任せてしまおうかとさえ考えていた。
ところが・・。

★アンケート結果
発言印象度トップは、新村あかりさん!
女性回答者、ほぼ全員、あかりさんに記名。
「現役女優の方が出演されたのは、とても良かった」
「もう少し、新村さんの生々しいお話を聞きたかった」
「女優さんが発言しづらい中、登壇していただいて良かった」

"In the night
 I realize this infrction" (夜になれば 私はこの感染に気付いて)

女性「出演強要被害者はギャラ貰ってて被害を訴えるなんて、おかしい」
会場への質問
●おかしいと思いますか?
シーン?
女性「被害者がただ悲しく訴えるだけとは限らない。私自身がそうで、私は実名で加害者を告発した。なぜ告発したか?腹が立ったから。何で私はこんな想いをしなくてはならないのか!と。二年半くらい経っていたが。私もおいしい思いもしたかなとは思う。でも私はこんなに傷ついたのに加害者はのうのうとしていることへの怒り!だから出来るだけ大きなダメージを与えてやろうと、被害者なら誰でも思うことで、だからお金を貰ったどうこうではないと思う」
女性「目の前においしい話があれば飛びつく、ではなくちゃんと後々のことも考えないと。金貰ったら私の中では成立している」
女性「労働者なら例え報酬を貰っていても労働災害など、訴えられる。個人事業主だとその点が複雑になる。
被害者像・・楽しい思いもしたのだから被害者になれない、では、さらに被害を語れなくなってくる。本当に何の非もない理想の被害者像だけが認められるなんてことになる」
男性「マクドナルドの椅子・・あれは敢えて座り心地悪く作ってある。そうやって客の回転率を上げている。でも客は誰もそんなことには気付かず、自分の意志で席を立ったと思い込んでいる。つまり人の自由意志って非常に実は、もろくて脆弱である。ほとんど人は自由意志で動いていない。色んな環境しがらみ、同調圧力、集団の中の無自覚な規制、そういう中で行動している。これを前提とすべき。僕達はそんなに自由ではない。
では、被害に対して我々はどう考えるべきか?
やはり被害に遭った場合の苦痛のレベルに合わせるべき。でないとこれからもっともっと様々な社会で色んな被害が起こるし、冷酷で無慈悲な社会になる」
辻丸「シングルマザーのAV女優はモテるはず、などと平気で言う倫理機構の男の理事。こういう構造がなくならない限り、意識改革がやはり必要。男社会では、女性の視点がとかく忘れられがち」

残り30分。
会場が割れた?
被害者への疑問、いや物申す?
それは業界擁護ではなく、プライドや生き方の問題?
この日、僕が最も衝撃を受けたのは、この女性同士の諍い?
いや、その中の一言だ。
「〇〇〇〇と言うんですけど」
彼女は実名を出した。
一応和解したはずのセクハラ加害者の実名を敢えて晒した!
驚愕した。そして思い知らされた。
彼女は決して、加害者を許していない!
死ぬまで、どちらかが死んでこの世からいなくなってしまうまで、決して許そうとはしていない。
その執炎、その業火、その地獄の道連れ・・。
これが被害者だ。
性の被害者とはまさにここまで!なのだ。
一体誰に非難出来るだろう?
そして彼女だけが自由だった。
あの会場で彼女だけが、あの瞬間、自由意志を勝ち取っていた。
男尊女卑、家父長制、なんて己の形骸化した言葉が情けなく思える。
あの瞬間のためだけでも、この『AV問題を考える会』を開いた価値があった。
本当に爆破したのだ。
彼女が爆破したのだ。
爆破すべくして爆破したのだ。
被害者は、そこら中で本当はきらきらしているはずなのだから。
我々があまりに弱すぎて、それにinfectionしていないだけなのだから。
諍いが起きた焦り?それが何だっただろう。
あの瞬間、この会場は彼女達のものになった。
それこそ、僕が無意識に望んでいたことではなかったか。
そのために数々の業界人を罵倒し、憎悪し、復讐(リベンジ)に荒んでいたのではなかったのか。

"爆破して飛び散った 心の破片が そこら中できらきら光っているけど
いつの間に私は こんなに弱くなったのだろう"

★アンケート結果
女性観客の意見。
「ホワイトボードの1語1語について議論してほしかった」
「ジェンダーの視点から意見が聞けて良かった」
「児童虐待を研究中で、AV問題も関連するため参加した」
「意識改革の必要性を確認した」
「竹山先生が、議論を整理して下さったのが理解につながった」

女性観客からの質問
●ゲイポルノの件。男性被害についてはどう?
辻丸「業界は無視。男優はほぼ全員フリーだし、女優とは状況が違い過ぎて、今のところ、そこまで手が回らない」
男性「男性被害もかなりある。身分書奪われて、かなり暴力的な強引撮影もされたと聞く。」
女性「男性と女性ではやはり被害でも世間の受け止め方は違うのでは?」
辻丸「男優は未だ対象外。そこにもこの問題に対しての業界側の歪みがある」

正直、男優のことを問われたのには参った。
収集が付かなくなってしまうからだ。
男優も対象に入れてしまうと、また最初からやり直していかなくてはならない。
僕はだから逃げた。
男優の問題、そのものにも興味はなかった。
僕が男優だから。
僕自身が、自分がどうなろうと知ったことではないから。
僕はそんな気持ちで30年AV男優で生きてきた。
ハナから歪んだ人生、いびつな人間なんだ。
僕のことなど、どうでもいい。
つまり、所詮、僕も当事者だからこそ、「AV問題」のある部分からは逃げている、避けている、隠れている。
でもいい。
僕は"被害者"じゃない。"加害者"だから。

"あらゆる小さな熱に 
怯え始めている私に
勝ち目など無いのに 
目を覚まさなくちゃ"

女性観客からの質問
●業界では、人権団体からの訴えに対して、人権は理念、絵に描いた餅、と考えているのか?

男性「私の印象では、人権というものがこの業界では深く掘り下げてこられなかったと思う。ただ人権のみで語っていくと、収集がつかなくなるが、なぜ掘り下げられてこなかったのか?今回適正業界側がモザイクを凄く濃くした。野外撮影も基本、モザイク。それは問題のすり替え、忖度。濃くすれば強要問題は解決とでも?ただ人権問題は解決していかなくてはならないが、100%となると私も自信がない。だが、業界の意識は正直言って低い」

業界に今迫ってきている"あらゆる小さな熱"
それらに怯えながら、モザイクに頼ろうとしている業界の頓珍漢な忖度。
勝ち目など無いのに・・・。
でも僕だって!00%の自信なんてない。
それでもまた目を覚まさなくては、と何度も思い返す。
ほんの3年前までは、まさかこんな場所に自分がいるとは想像もしていなかった。
こんな発言をしまくっているとは、考えてもいなかった。
自分みたいなロートルの、売れなくなったAV男優・・・行き着く先は、野垂れ死に?
それが今は、こんな場所にいて、40人以上の中でマイクを握っている。
僕の放言なんて、全て"絵に描いた餅"かもしれない。
それでも僕は目を覚まし続ける。
勝ち目など無いのに。
誰と闘っているのかも、実は分かっていないのに。

"爆破して飛び散った心の破片が そこら中できらきら光っているけど
いつの間に 私はこんなに弱くなったの"

★アンケート結果
「バクシーシ山下『女犯』事件から変わらないのかな、と思った」
「AVを偏見しがちでしたが、新たな考えを知る良い機会になった」
「"男の都合のいいファンタジー"、もっともだと思った」
「社会的眼差しにより、語るべき言葉が分からなくなると結果、主体性を失うと感じた」

●ゲスト陣、最後の一言ずつ。
女性「私は一番はですね、いつもいい作品が出来ればなと、そればかり考えてやっているので、これからも業界自体が良くなって、明るくなっていけばいいかなと思います」
女性「性であり映像でもあり、本当に難しく語りにくい問題」
男性「簡単に語ってはいけない」
男性「普遍的な問題に繋がるテーマ。こういう運動?は薄めてはいけない。持続しないと。今日全然語り尽していない。継続してほしい」
辻丸「規制派は堂々と顔出しして主張している。業界派は今だに誰も・・・スルーしてる。レベルが違う。倫理機構とか代理人立てても無駄。そして業界は実際分裂している。しかし今回、絶対無理だと諦めていた事務所所属の現役女優さんが参加してくれたことが、最大にして唯一の、次回に繋がる希望!」

業界が良くなる、とは何だろう?明るくなって誰が喜ぶのだろう?
AV女優以外の女性達は?彼女達にとって、本当にAVとは何なのだ?
性でもあり、映像でもある。
被害者も加害者も、需要も供給も、肯定も否定も、ファンも嫌悪も、あらゆるものがありそうなのに・・問題だけが無い。
「AV問題」だけが、あるようで、無い。
簡単に見れて、簡単に作れて、簡単に出演出来て、簡単に出回るようになった。
こんなに簡単を究めてしまった、AVという難問。
その一番の困難を、誰もなぜかやろうとはしない。そしてAV問題というキワモノ?取り扱い注意の危険物を・・・また僕にやれ、と言う。継続しろ、と言う。語り尽せるまで、運動し続けろ、と言う。
誰が?
たった48人が?
それとも貴方が?
僕はまたラスト、性懲りもなく、業界叩きで締めくくった。
負け惜しみのリターンマッチを宣言?して、そのくせ業界側からの協力を絶賛してみせた。
正直、今の僕に希望はあるか?
次回11月10日に、嘘でも何でもなく再び"開場"へと向かう僕に、どれだけのinfectionが、期待出来るか?
分らない。
一度あえなく飛び散ってしまった以上、二度目の爆破なんてありうるのか・・・。
今の僕はただ、弱ってるだけ。
勝手に絶望しているだけ。
それでも・・・。
まだ生きている。
『AV問題を考える会』は第2回まで、生きている。
僕と、新しい登壇者と、新しい人々と、11月10日までは、弱く弱く、でも生き延びている。
そこには新たな"感染"が、新しい"破片"が・・・"破片"が・・・"心の破片"が・・・・貴方を待っている・・・だろう。
きっと。


"爆破して飛び散った心の破片が 
破片が 
破片が
そこら中で 
いつの間に私は 
こんなに弱くなったの・・・ああ・・・・だろう"
                   鬼束ちひろ「infection」


★アンケート結果
「時間が短すぎ!」
「途中休憩、欲しかった」
「こういう会はもっと続けていくべき」
「勉強になった」
「ロフトプラスワンの開催でもよかったかも」
「色々な立場からの意見を聞ける場になるといい」
「答えのないトークが面白かった」
「2時間半、あっという間でした」

★アンケート結果
次回呼んでほしいゲストは?
「新村あかり 宮台真司 バクシーシ山下 SOD社長野本ダイトリ 白水力 亀山敬司 平野勝之 神田つばき 観念絵夢 しみけん 二村ヒトシ インジャン古河 森林原人 是枝裕和 AV人権倫理機構職員 強要被害者 現役AV女優 元AV女優 現役AVメーカー・プロダクション関係者 強要被害の支援者 海外のAVに詳しい人 ゲイポルノに詳しい人 政治家(女性議員とか) AV業界擁護の立場の人にも参加してほしい」 

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 4
ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!)
なるほど(納得、参考になった、ヘー)

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
『AV問題を考える会』というinfection AV落人辻丸の言霊〜殉教録〜/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる