男優私録・その四

AV女優に睨まれました。
いつものことです。
それが僕です。




醒めた目でした。
冷えた視線でした。
毎度のことです。
見られたくない瞳です。
僕だけ、に向けられる拒絶と否定と蔑みと無視の眼光。
ひがみでしょうか?
コンプレックスでしょうか?
逆恨みでしょうか?僕の・・・。
構いません。
僕はAV女優を知らないから。
千本以上も出て、ただの一人ともプライベートでの付き合いがないから。
そんな仕事を来年で25年。
そんな現場に今や時たま。
構いません。
僕だから。
僕がこうだから。
AV女優の目に映る僕が、こんなだから?
どんな?でしょうか・・・。
AV女優は教えてくれません。
永遠に僕には答えてくれません。
それが僕の仕事です。
人生です。
運命です。
悲しくも嬉しくも腹立たしくもない、そのまんま。
死ねば終わります。
それだけのことです。
だから・・・・まだ生きてるだけ、です。

AV女優が泣かなくなりました。
僕が泣かせられなくなったからかもしれません。
責められない。
追い込めない。
罵倒出来ない。
それでいいのかもしれません。
もっと早く、そうなるべきだったのかもしれません。
誰も泣かない。
誰も苦しまない。
誰も壊れない。
そうなれば僕はもう必要ありません。
僕の愛はエゴです。
僕の想いは、あがきです。
AV女優の瞳に向かう、虚しいのたうちです。
それもあとわずか、かもしれません。
終わりが近づいているのかもしれません。
その後、僕はどうなるのか?
AV男優としてしか生きてこれなかった僕はどこへ漂ってしまうのか?
彼女たちは答えてくれないでしょう。
目線を合わせてももらえないでしょう。
それでいいんです。
それが僕なんです。

最近、現場でよく怪我をします。
物が落ちてきました。
当てられました。
吐きそうになりました。
硬い物をぶつけられました。
それでも生きています。
仕事出来る程度には、まだ健康体の端っこにいます。
それが答えだと思います。
生きていること。
死なないでいること。
誰かといること。
誰かに殺されるかもしれないこと。
だけどまだ・・・まだ愛することは、出来そうなこと。
信じたい、と願えること。
それが全部です。
25年目になろうとする、AV男優のはかない証しです。

ひょっとして・・・。
何かが始まるかもしれません。
でも終わるかもしれません。
何も変わらないかもしれません、結局。
ただ・・・・。
全てが命です。
僕自身です。
そこにいるだけです。
そこで・・・まだ愛せそうです。
すがりたいのです。
祈りたいのです。
いつか・・・見つめられたいのです。
あなたに・・・・。





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この記事へのコメント

遥か西の彼方の山から…瑞穂より。
2012年11月18日 00:13
辻丸さん、時々、ブログを見に来ています。人生の流れに身を任せた結果、私は、私が精一杯全力で全てをさらけ出した世界…貴方にお会い出来た世界から遠く離れました。今は別の新しい場所でまた違うカタチで自分の全てをさらけ出すため頑張っています。私から見えた貴方は、透き通るように純粋な瞳をした、可愛らしい人。貴方に言葉で責められ、他の男優さんに身体的に責められて苦しんでいるなか、それでも私の手を強く握ってくれていた貴方の手は強い愛情に溢れて優しかった。だから頑張れた。少なくともAV女優である私から見えた貴方は優しすぎるくらいの愛に溢れた方でした。時間が経ちすぎてしまいましたが、あの時の私はまるで使い捨てのようでしたが貴方が居たから心が死ななかった。本当にありがとうございました、辻丸さん。あの日から、貴方は本当に優しい笑顔で私の心の中にず~っと居ます。貴方はとてもあたたかい方です。私はそう感じました。
2012年11月18日 12:22
ありがとう。
そちらはもう雪でしょうか。
女性であることの全てをさらけ出せる貴方の勇気は誰にも捨てられるものではありません。貴方が生きた時間、傍に寄り添えたことは僕の真実です。
どうか頑張りすぎず、任せすぎず、遠すぎず、寂しすぎず・・・凍えそうな日々、貴方の大切な心を抱いてお過ごし下さい。

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