AV落人辻丸の言霊〜殉教録〜

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zoom RSS 男優私録・その三

<<   作成日時 : 2010/12/15 17:45   >>

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デビュー作について書く。
あの「ジーザス」について書く。
そしてごく最近の現場についても。
僕はもう22年も男優なんだ・・・・。


「少女時代 悪夢」
88年 映研

僕の初絡みAV・・・といっても当時のこととて、もちろん擬似である。
いきなり昼過ぎ、エロ本編集者時代に知り合った某AV監督からTEL。
「これから急に撮影なんだけど、誰か男優知らない?」
まだ汁男優も手配師もイケメンもカリスマも存在していなかった日陰の時代。
かねてより興味のあった僕はさっそく売り込み、めでたく?男優デビューと相成った。時に27歳・・・素人童貞・・・もう22年前・・・。
スキー帽被ったままのオール無言レイプ。
顔も出ない、キスもない、発射もスポイト演技。
でもそれなりに無難な出来だったと思う。
相手がすでに取材等で見知ったベテラン女優だったし、時間も短く、派手な仕掛けもなく・・・。
ただ追撮があるとか何とか言われて、ギャラは結局踏み倒された!
まあ勉強ベンキョウ、恥かき授業料・・・・と笑って振り返られる遥か昔のAV余話。
それは今となっては、まったくもってただの"肉体労働"そのものだった。


「ジーザス栗と栗鼠スーパースター2 マニア王道編」
88年 V&Rプランニング 監督安達かおる 主演覇牝手華梨

そしてジーザスである。
男優デビュー半年にしての運命の遭遇である。
副題にあるとおり、この時代の「ジーザス」シリーズは、まだまだ安達かおる流の変態ドキュメントのカラーが濃厚だった。
男優は全員、冒頭のフェラ10人抜きから参加し、完徹撮影の間三々五々?それぞれの好みのプレイで好き勝手にパフォーマンス、というスタイルが充分怪しく、まさに地下ビデオ的なノリで展開していた。
僕にしても男優という以前に、SMマニアとしての性癖に期待されての安達組初出演。
恐らくこの前年くらいに、同じ安達組の「蒼怒夢の宴」シリーズの撮影現場へライターとして取材に伺い、元SM雑誌編集者としての余技?で簡単な緊縛を協力したことからによる出演依頼であったと思う。
もっともグラサンスタイルで安っぽい悪役ムードを気取り、男パン一丁でしゃしゃり出た僕は、縛りよりはもっぱら御奉仕と言葉責めに没頭し、ラストもハメの自信なく、情けなくもガナりながらの手コギ大量顔シャ・・・。
まさに三つ子の魂百まで、というやつか。
20年以上も前、僕の男優スタイルは早々と確立し、以降まったく成長進化の具合をてんで示していない、無様極まる体たらくが、ここに証明烙印されていたわけなのだ。
やはり僕は"マニア男優"らしい。
どこまで行っても素人の域を出ない、人生の雑草的中途半端者らしい。
だが、素人の王道だけでは商売にならない。
やがてこの伝説?のシリーズも、あの後期「必殺」シリーズ並に毒は抜け、単体AVアイドルのバラエティ路線へとビジネスシフトしていく。
つまり20年前に撮られた本作には、AV男優もAV女優も、現在の意味において、まだ存在していなかったのだ。
AVはそれ自体がマニアであり、暗黒であり、素人という名の烏合の衆がさらけ出すアナーキーな映像証言だった。
僕にとっては、それこそが王道。
そこから今だ抜け出せない足掻きこそが、僕の22年そのものなのである。

この二作はいずれも未DVD。
コピーされた映像だけが僕の手元にある・・・・。


"完黙女優"

急に呼ばれた現場だった。
とにかく来てほしい、とただそれだけだった。
疑問の答えは、絡み撮影スタート数秒で判明する。
集団レイプ。
罵倒して、引き摺って、はたいて、泣かせて・・・。
だが、泣かない。
ギリギリ涙目になっているのに、決して涙はこぼさない。
それ以上に、喚かない。
暴れない。
抵抗しない。
動かない・・・生きていない?
とにかく完全黙秘なのである。
どんなに痛いキツい苦しいことをお見舞いしようと、断固として一切の反応を示してくれないのである。
ただただ歯を食いしばるような表情で見返すだけ。
まったく無言で耐え忍ぶ、いやいや丸太のように硬く固く受け止めているだけ。
昼間撮った、ごくごく普通の痛くも何ともない本番の時でさえこうだったらしい。
ウンともスーとも・・・。
いくら何でもこれじゃ絵にもどーにもならんと、苦肉の策で我が虐待レイプが急遽追加・・・。
これが真相だった。
そしてやっとこさ、それなりの絵にはなった?
商品としての尺は稼げた?
若手男優クンの汗だくの踏ん張りで、顔シャまで一応はキメた?
されど・・・・・・。
一体こういう子に対しては、何と言葉を足すべきだろう。
監督からの注文も演技指導も当然あったはずだ。
にもかからはず、この頑なさを通り越した完全鉄柱状態は・・・・。
反抗ではない。
不貞腐れではない。
サボりでも、我がままでも、無気力、無思想でも、ない・・・多分。
童顔で、笑うと可愛さも浮かぶものの、かなりタルみ気味の太めだった。
その肌はずいぶんと荒れ放題の、瑞々しさには程遠い、不健康なスサみ具合だった。
まだハタチそこそこだろうに、どんな過去がそこにあるのか?
それとも何にもないのか?
単にAVには不向きの、性にも生にも不器用で、いささか暗い、人にも男にも、オンナにも自分自身にも鈍感すぎる、そんなまだまだ"普通"の子供だったのだろうか。
こういう子をイジメなくてはならない己が心底嫌になる。
AVが、業界が、周りの全てが、とことん唾棄したくなる。
彼女だって、生きているのだ。
つらかったのだ。
泣きそうだったのだ。
けれど泣かなかったのだ。
叫ばなかったのだ。
自分を、誰でもない自分という存在を、必死なまでに、見せなかったのだ。
晒さなかったのだ。
分からせようと、しなかったのだ。
何のために・・・彼女だけの、生きているために・・・・。
誰も代わってはくれない。
伝えてくれない。
聞いてくれない。
見てくれない。
私を見てはくれない。
前にいてくれない。
そこにいてくれない。
私を私と、感じてくれない。
信じてくれない。
生きてくれない。
だったら消えてくれない。
ほっといてくれない。
黙っててくれない。
死なせてくれない。
生かせてくれない。
あなたが、あなたでいてくれない。
私が私で、いられない。
何も出来ない。
何もしたくない。
どこにもいたくない。
そして生きるしかない。
私でしかない。
あなたでしかない。
その向こう側・・・弱いままで、醜いままで、私のままで・・・・いけませんか?
そんなに駄目ですか?
そこまで言われますか?
否定しますか?
無視しますか?
傷つけますか?
殺しますか?
見殺しにしますか?
あなたのその目で、言葉で、力で、強さで、弱いだけの私を、それが許せない、どうしても認めない、あなた方が、あなたという多数が、"正しさ"が、"愛 "が、わたしを、わたしの弱さを、消しますか?潰しますか?違いますか?
答えなんかいらない!
聞きたくない!
わたしは、あなたじゃない!
あなたではない!
あなたを見たくない!
決して見たくない!
わたしは、わたしを見たい!
もっと見たい!
もっと、もっと!
もっと!
・・・・・・・・・・・・・・・・
その氷のごとき、カサブタの如き沈黙の底を、誰も知らない、でいいのだろうか?
こんな世の中で、現実で、我々は本当に、何を口に出来るというのだろうか?
この作品のタイトルを僕は書かない。
誰にも見られたくないから。
彼女を見せたくないから。
何より、僕がきっと・・・"あなた"だから。
やっぱり"あなた"だから。
どうしょうもなく・・・・でも・・・。


「お前、死にたいのか」
「そうです、きっと」
「お前さん、病気で死ぬ方がいいよ」
「病気はいやです」
「じゃ殺されたいのか」
「そうです、きっと」
「交通事故がいいな」
「車は人間じゃない」
「同じだよ」
「ちがう。殺す時、その人はぼくを見る。その目の中にぼくが映る」
「それがどうした」
「その時、ぼくは自分が誰だか分かる」
「分かったときは死ぬわけだ」
「いいえ、そのとき、ぼくは何をすればいいか分かる」
「そいつは考え方がさかさまだ。お前さんが何かをしようとするから、敵が現れて、お前さんを殺そうとするんだ」
「そうかもしれない。だけど、ぼくはその人に会いたいんです」
「坐ってて会えるわけのもんじゃねえだろう」
「いいえ、もうすぐ、会えそうな気がします。だから僕は出かけて来た。ある朝出発したんです」
大島渚監督映画「無理心中 日本の夏」(67年)より





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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
そうゆう人と仕事したりするとなんか気になったりするものですよね。
でも辻丸さんはそこまで考えたりするのは優しい感じがするなぁ。
ちぃ
2010/12/16 20:51
あなたが、それほど女という性を思いはかっていること、
女の性のなかにある深淵をひきずりだそうとしていること、
その深淵を覗くことで女を救おうとなさっていること。
誰も知りません。
あなたが、こうやって書いてあらわさなければ誰も知らない。

女の性をいじめ、憎まれ、嫌われ、
それでも、その方法でしか引きずり出せないものがある。
そこに神に近いものがある。
あなたはそれを何よりも尊んでいる。
女もそれを知りません。

だからあなたは、そんなにも辛いお仕事を続ける。
それがご自分を救うことになると、信じ続けている。

誰も知らないことを、書いてくださった。
やっぱりわたしは涙を流すしかありません。






かなこ
2010/12/17 08:44
私だったら、合わない人はいやになっちゃうだけで、いくら仕事でも、そこまで考えられないと思います。つじまるさんは、やっぱり優しい人ですね(^-^)愛する人にはもっといっぱい優しいんだろうなー、愛される人がうらやましいです☆いまの愛を大切にしてくださいっ!私もがんばりたいです。つぎの更新も、楽しみにしています!
まひろ
2010/12/21 21:28

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