AV落人辻丸の言霊〜殉教録〜

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zoom RSS 映画メモ拾遺編・・「略称・連続射殺魔」「ランボー」「沙耶のいる透視図」

<<   作成日時 : 2010/06/20 13:19   >>

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"君のすぐ間近に 戦いが待っている その戦いで 君は殺されるだろう 踏み出す一歩は ほんの始まり 心の痛みに 足も重い 誰か味方は 待っていないのか"




「略称・連続射殺魔」
69年 日 監督足立正生 製作佐々木守 岩淵進 野々村正行 松田政男 山崎裕 足立正生 撮影野々村正行 ナレーター足立正生

昨今、"貧しかったけれど皆やさしかった"などと回顧されるその"古き良き"時代に幼い日々を過ごし、"日本人が一番元気だった"などと何とか世代がやたら鼓舞する高度経済成長期に青春?を送った19歳の若者の、恐らく見たであろう、記憶したであろう、様々な風景だけをつづった究極の自主映画。
密航と窃盗と転職を繰り返す流浪の果てに、彼が時代に叩きつけた行為は、四人もの人命を奪った連続射殺事件だった。
無知の涙?
心の闇?
この映画は、何の答えも提示しない。
ただひたすらに彼が辿ったに違いない?風景、あまりに平和で凡庸で、そしてどぎついまでに原色にまみれた当時の日本のいち断面を淡々と、自然音すら排除して、風景だけを我々に突きつけてくる。
どこか懐かしい、どこか暖かい、でもどこか厳しいほどに冷たい・・・。
古里の祭りを経て、彼が流れ着いたのは、新宿騒乱間近、安保闘争前夜、そして彼が入隊を拒否された延々たる自衛隊行進・・・。
風景は平等だ。
それゆえに残酷だ。
僕も無限に近い風景を見て生きてきた。
万博・・・バブル・・・格差社会・・・・?
どこにそんな答えがある?
同じ当たり前の風景が、どうして共通の軽薄ネームで時代に烙印を押す?
僕の大半は、撮影現場へ向かうまでの風景だ。
そこにAVはない。
AVを許す社会の略称は、どこにもない。
拒絶する風景。
立ち尽くすだけの個人。
何も変わらない。
ニッポンに、言葉はない。



「ランボー」
82年 米 監督テッド・コッチェフ 音楽ジェリー・ゴールドスミス 出演シルベスター・スタローン リチャード・クレンナ ブライアン・デネヒー

悲しい映画である。
暗く寒々しく、そしてやりきれない物語である。
戦うことの無意味さ。
戦うしかない人間の愚かさ。
命がけで守ったつもりだった祖国の大地を、たった一人で戦場に堕とすランボー。
人は何かのために生きる。できれば崇高な、愛に満ちた理想のために。
だが、人は必ず誤まってしまう。
歴史がそれを繰り返してしまう。
変わらないのは至上の美しさを保つ大自然の深遠さだけ。
ランボーは、マシーンだ。
けれど人は皆、マシーンとなって日々を誤魔化し、歴史に加担するのだ。
この映画では、意味や価値のある行為は一切描かれない。
まるでAVのように?
生きるというエゴと、勘違いに満ち満ちた現実のように・・・。
だから、どこまでも哀しい。
どこまでも、つらい。

"ひとり行く君に それは長い道
夢も打ち砕かれる寂しさだ
新しい町へ来ても 君は失望するだけ
心の安らぎなど どこにもない

君のすぐ間近に 戦いが待っている
その戦いで 君は殺されるだろう

だから長い道を 君は行くしかない
どこかに落ち着く場所が
気ままに過ごせる場所が
見つかればいいと 希望を持ちながら

踏み出す一歩は ほんの始まり
心の痛みに 足も重い
誰か味方は待っていないのか

道はあくまで長く険しいのだから
生き延びるには どうすればいい
戦いを挑まれれば避けては通れぬ
昼も夜も 油断はできない

君のすぐ間近に 戦いが待っている
その戦いで 君は殺されるだろう

君の行く道は長いから
踏み出す一歩は ほんの始まり
心の痛みに 足も重い
誰か味方は待っていないのか

君の行く手は 遠い
それは長い道だよ
それは 長い道だよ"
           (エンドテーマ曲より)

僕も殺されるだろう。無意味に。
誰か、味方は・・・・。




「沙耶のいる透視図」
86年 日 監督和泉聖治 原作伊達一行 脚色石井隆 音楽一柳慧 出演名高達郎 土屋昌巳 高樹沙耶 山田辰夫 沢田和美

86年・・・僕はエロ本の編集者だった。
どういう理由でか、僕はこの映画を愛し、劇場で二度、ビデオで数度、原作も読み、シナリオも探した。
心を病んだ女を愛そうと、もがくビニール本のカメラマン。
性を唾棄する女に愛されようと、自らの性器を焼くビニ本編集者。
何でこんなに屈折した物語に、まだ愛なんて知らなかった当時の僕が魅かれたのであろうか・・・。
あれから24年。
僕はこの映画を正視できない。
この忘れられた陰惨ドラマを、追想と悔悟の想いでしか、見つめることが叶わない。
ヒロインの顔が似ている。
彼女の目が、落ち窪んだ表情が、どうしょうもない翳りが、今の僕には耐えられなくて・・・。
何の変哲もない場所で、ヒロインの面影を目にする主人公。
ありふれたシーンが、今の僕には、24年生きてきてしまった僕には、切実に、過剰なほどに生々しく蘇って焼き付ける。
僕の現実に。
僕にとっての暗鬱なラブストーリーに・・・。
僕はいずれ、投身のビニ本編集者を演じるだろう。
それまでのつかの間、僕は到底入り込むことも同化することも出来ずに、ただ戸惑って立ちすくむだけのビニ本カメラマンだろう。
ヒロインは・・・もう、いない。
この映画は、すでに僕にとって・・・ケロイド?彼女の光と影?
痛い・・・・。
沙耶のいる透視図 デラックス版 [DVD]
パイオニアLDC
2002-07-25

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
更新、ありがとうございます。
辻丸さんの言葉を読むことが出来て、
とても嬉しく思います。

何か・・私も痛いです。
ayu
2010/06/21 00:33
「A.K.A.連続射殺魔」はクールな作品だ。
70年代初頭の風景を見たいと思うとき、これほどまでにフィルム化されているものはなかなかない。たいへん貴重だ。
だからたまに観たくなる。
永山某は「世の中に復讐するために」殺人を繰り返したが、映像にその事実を感じることなどできない。ただ、彼の見たであろう風景を延々と垂れ流すのみ。
作品的にはフィクションであり、ノンフィクションでもある。
ナレーションがかなり不気味。
de
2010/06/24 02:36

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