AV落人辻丸の言霊〜殉教録〜

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zoom RSS 新・テッペン越えた

<<   作成日時 : 2006/05/08 18:32   >>

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テッペン越えた。またも午前様となった。
想定内だったので、焦ることはなかった。
ただ、スタジオが少々、辺鄙に過ぎた。そして不条理なるドタバタが、僕にイタズラした。

終了、午前二時半。
まあ予想通りだった。内容的に大掛かり。エキストラも使う撮影では致し方なし、のところだった。
しかし困ったのはスタジオの場所だ。
ざっと山手線を横断しなくては帰れない、つまり都内の外れ。
いつもなら何のためらいもなくタクシー代請求、といきたいものだが、この距離ではさすがにためらわれた。
実際タクシーなら、それも深夜料金ならどのくらいかかるのか、見当もつかない。
計算するより、さっさと諦めた方が、精神衛生上、よろしいのは自明の理。
結局待つことにした。
大量のパイプや機材が少数のスタッフの手によってじっくりと撤収されるのを、邪魔にならぬよう、おとなしく待つことを選択していた。

昔、マイった現場があった。
スタッフわずか二人(監督兼カメラマン&AD)。朝八時集合して急行電車に乗り込み、延々痴漢撮り。
ファミレスで昼食をとってからスタジオに入る。
絡み二回。痴漢プレイ二回。スチル撮影三回。
これだけ働かされて、同行したメーカーの社長から当たり前のように言われるのだ。
「ほら、運んで」
搬入も撤収も当然の如きお手伝い。
特に撤収なんて、女優をまず帰すため、ADが彼女達だけを乗っけて車でとっととお先に・・・完全にこちとらスタッフ兼任である。
もうヘロヘロの十六時間通常ギャラ仕事。
オマケに、零時まわって早く帰りたいのを、監督必ず「ラーメン食べてかない?」と途中休憩。
多数決では叶わない。
朝から晩まで、こきつかわれての、まずい夜食。
悲しかった。
プロ意識の欠如と言われようと、納得出来なかった。
予算不足?共同作業?
人件費をケチってるだけでしょ。
男優なんて安く使えばいい、くらいに考えてんでしょ。
独立プロのメッセージ映画ではないのだ。
安易な痴漢AVなのだ。
これが現実か。
男優なんて、サオ師なんて、本来こんなものだ・・・。

その日、僕はそれなりに手伝った。
無理しては元も子もない、つまり最初から期待されているわけではない現場なのだから、あくまで出来る範囲の援助に徹した。
にしても、とにかく寒かった。雨上がりの深夜は、川沿いの二階に位置する(撤収のため)吹きさらし状態のスタジオは、風も冷気も正直きつかった。
じっとしていられないから、動き回って片付けしていた、とも言えるかも・・・。
だが、それでもいつかは終わってくれた。
三時を軽く回っていたが、分乗形式で、ようやく帰路につけた。
さあ、後は運転お任せの、うたた寝気分・・・のはずだったのだが・・・とんだ悪夢が待っていた。
運転は若いAD氏。
ところが撮影三日目?ほとんど寝てない?
ハンドル押さえてウツラウツラなのだ。
ちょっと沈黙が続くと、もう視線が浮遊している有り様なのだ。
冗談じゃない。シャレにもならない。
僕はしゃべった。
とにかく何でもいいから口からデマカせ、話し掛けた。
「ああ、空いてますね」
「ここ、どこですかねぇ」
「コンビ二しかやってないですねぇ」
会話にもなってない、ただの点呼代わり。
まるで眠ったら死ぬぞぅー、の冬山遭難コンビ。
実際、笑い話ではない。マジで一歩間違ったら、あの世行きなのだ。
AV撮影二人組、居眠り運転であえなく心中・・・の体たらく。
死ぬのは、別に怖くない。
でもこんな馬鹿馬鹿しいシチュエーションが我がラストシーンとは、イタリア製不条理映画にもなっちゃない。

何が何だか、ざっと一時間、僕は話し続けた。
一年分、会話して命を繋いだ。
結果つくづく、僕は本来無口な男であることを自覚した。
言葉責めの数倍しんどい。
二度と御免の強制アナウンスにしてやられた真夜中の苦行。
テッペン越えは、いい。
けれども、僕という人間のテッペンなんて、こんなレベルでしかない。


当たり前の会話が、どうしてこうも、苦手なんだか・・・・。
僕は誰かの隣に座る資格もないのだ。


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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
初めてつじまるさんのブログを読みました。
ビデオに映っているつじまるさんとはぜんぜん違いますね。
いまは男優のお仕事のほか、監督業もされてるのですか?

2006/05/08 19:27
ありがとう。
監督は依頼がありませんので・・・。
ドキュメントなら、ぜひ・・・と考えたりしてますが・・。
つじまる
2006/05/08 19:31

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