AV落人辻丸の言霊〜殉教録〜

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zoom RSS インタビューされた

<<   作成日時 : 2006/05/26 14:32   >>

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インタビューされた。久々にされた。
ざっと三時間。僕は何をしゃべったのやら。
ただもう疲れた。この異様な疲労感は・・・僕のせいか・・。

生い立ち、きっかけ、プライベート・・・男優になって楽しかったこと、嫌だったこと・・・。
全て他人事みたいにしゃべった。
口を開く端から、空々しい気分で、心は乾いた。
生い立ちなど、今は無くなったも同じ。過去はすでに失われて、何の光沢も残していない。
僕はなぜ、AV男優などになったのだろう?
自分から監督に売り込んだ・・・本当か?真実、そんな馬鹿なことをしたのか?
僕には語るべきプライベートなんて、ない。伝える価値のある事実など、どこにもない。
何も存在しないから。僕のプライベートには、誰一人いないから。
昔、まだ中学生の頃、ある外国の女優のインタビュー記事を読んだ。
私はこうありたい、みたいなことを言った彼女に聞き手は、それであなたはそう?と尋ねた。彼女はけだるそう?に一言。
「さぁ・・誰かに聞いてみて・・」
僕はこんな風に答えられない。誰か、なんて一人もいないから。どこにも答えてくれる人はいないから。
そして誰にも、僕に代わって、答えなど出してもらいたくないから。
僕は臆病者だ。
だから全ての過去も現実も、素直に認めたがらないのだ。
そうじゃない、こうじゃない、そんなことはない、そんなんじゃなかった、僕はこんなはずでは、そんな人間では、何もかも・・・違う・・・違ってる・・・と、思う・・・。

楽しかったこと。
嫌だったこと。
生きていて楽しいことなど、なかった。
嫌だ嫌だ、と念仏のように唱えながら、四十五年が過ぎた。
僕にも十代はあったろう。
初体験もあったろう。
初キスもあったろう。
大勢に囲まれたこともあったろう。
「好き」と目を見つめながら言われたこともあったろう。
今となっては、ことごとくが無意味だ。語るに落ちる燃えカスだ。
どんな行為だって、楽しいと感じれば楽しい。
人殺しだろうとレイプだろうと、楽しい奴にはこの上なく楽しい。
それだけのことなら、自分の人生が、とことんつまらなく思えたとしても、別におかしくはない。
AV男優なんて、適当に羨ましがられる職業であろうとなかろうと、苦しいものは苦しい。
ただ、その苦渋が性に合っている馬鹿な奴もいる。
そんな形でしか己の生を辿れなかった無様な死に損ないもいる。
人生には、楽しいも嫌もないのかもしれない。
何をやってきてしまったか・・・何をやらないできてしまったか・・・・それしかない。そこには是非も悔恨も、どんな判決もない。

覚えていることは、ひとつだけ。
AV女優に、もう辞めたら?と言わなくなったこと・・・。
昔はよく言った。会う人ごとに言ってしまった。
愚かなものだった。僕は人生に対して高慢になっていた。
AV女優であれ何であれ、そうしないではいられないのなら、そうするしかない。
迷っても弱気になっていても、足がそちらに向くのなら、そうならなくなるまで、時間に任せているしかない。
単純なことだ。
残酷なことだ。
しかし最大の優しさでも、あると思うのだ。
誰も誰かの代わりに生きてやることなんて出来っこない。
辞めたくなるまでやるしかないのだ。
人間は結局引きずられ、縛られ、追い込まれてゆく、哀れな存在でしかないのだ。
それでいい。
それさえ分ってあげられたら、人間は、いい。
分ろうとしない輩が多いから。
自分の力に甘えるだけの、要するに自分が生きていることしか認めない最低野郎ほど目立ちまくっているから。

会って五分でこいつバカかどうかすぐ分るなんて豪語する人間がいる。御丁寧に人の親でもいらっしゃる。
バカではなくて、こいつ自分の役に立つかどうか、こいつに利用価値があるかどうか、こいつと関われば豪邸を維持出来るか、何とかファミリーでずっと売っていけるか・・・本音はただそれだけだろうに。
人の庭では約束無視の好き勝手しておいて、自分のリングでは、気に入らなければ「最低野郎!」。
バカにバカは、分らない。
でも僕はそもそもバカ、という言葉も嫌いだ。人をそんな簡単に判別してしまうような考えには、断固反対だ。
売れるためには手っ取り早く目立つ言い回し・・・負け犬、バカ・・・とにかくバカ・・バカの何々・・・。
人は強くなりたがる。
勝つためなら、幾らでも変わってみせる。ベロを出しまくり、いい年して女子高生みたいに前髪を垂らす。二言目には、お金じゃない!とわめく。
AV女優は、辞めることない。
誰も止めさせる権利はない。
こんな世の中・・・AVぐらいのどこが悪い?どこが、おかしい?

インタビュー前後に読んだ本、見た映画・・・。
「箱根風雲録」(52年 監督山本薩夫)
「成瀬巳喜男演出術」(ワイズ出版)
「鉄砲玉の美学」(73年 主演渡瀬恒彦)
「仮面ライダー 本郷猛の真実」(藤岡弘、ぶんか社文庫)
「電車男」(2005年 主演中谷美紀)
「日本映画思想史」(佐藤忠男 三一書房)
「ゴジラVSデストロイア」(95年)
東京スポーツ、フライデー、週刊プレイボーイ・・・・。
「火花」(56年 監督衣笠貞之助 主演鶴田浩二 山本富士子)
週刊プロレス六月七日号。

それにしても、どうしてあそこまで疲れたのだろう。
帰ってから何も出来なかった。這うように雑事をこなし、ぶっ倒れるように早々眠った。
僕の報いだろうか。
僕が人に何かを語ることは、そんなにも特別で、異常で、頽廃してゆくことなのだろうか?
わからない。
僕が誰であるかなんて、考えるだけ、病んでいくらしい・・・。
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