AV落人辻丸の言霊〜殉教録〜

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zoom RSS シロウトの日常

<<   作成日時 : 2006/01/26 19:21   >>

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久々に取材を受けた。
日常のことを聞かれた。男優の日常なんて・・僕の生活なんて・・・。
しゃべっているうち、何ともやるせなくなってきた。語るに落ちる、とはこういう生活を言うのだろう。
僕はこれでも社会人か。都会で暮らしている分別盛りの中年世代か・・・。

十七年の男優人生で、取材されたのは七八回。
大抵が、言葉責めについてのこと。
どうして、ああいうことが出来るのか。
一体何を考えて、あれほど激しいことをやっているのか。
プライベートなことはあまり聞かれない。聞く前から、何となく勘違いされている。
いわく、超売れっ子、モテモテ、奴隷の二三人・・・その筋の人達からセンセイ扱いされてSMサークルの主催くらい手広く・・・・・そんなアホな。
売れた頃なんてない。月に十五本以上仕事が来た試しもない。モテるどころか、シカトされっぱなし。奴隷?SMクラブ大衆店の常連客なのに・・。
まあ聞かれないに越したことは、ない。
聞かれても困るだけ。話すこともない。
活字に出来るだけの、具体的な、生活人らしい日常が、僕にはない。

ないないずくしなのだ。
出かけない。
会わない。
遊ばない。
付き合わない。
愛されない。
仕事が、ない。
カネもない。
だからその取材でももっぱら映画やテレビや本の話をした。
70年代のアートシアター系邦画、「燃えよ!カンフー」、WWE、最近買った古本・・・「知りすぎた、私」草間政一、「不死蝶 岸田森」、「時効なし」若松孝二、「哲学実技のすすめ」中島義道、「仮面ライダー 本郷猛の真実」藤岡弘・・・・・。

これが男優だろうか。AVに関わる、プロの十八禁人間だろうか。

週二回ペースのジム通いのこともしゃべった。
もっとも昨今の男優族は何ごとも本格的だ。
プロ顔負けのヘビーブログラム。徹底した自己管理。ナルシスティックなまでの熱き努力。
試合や大会への出場さえ目指しそうな、ストイックな陶酔趣味。
充分紙面を色濃く埋めてくれそうなくらい、皆さん、あれこれやっていらっしゃる。
僕みたいな、ただの気晴らし、まったくの暇潰し、フィットネスごっこ、何もやらないよりはマシかな程度・・・恥ずかしくなるばかりだ。ほんの二三行がいいところだ。

僕には語れる趣味もない。
レジャーも、こだわりも、ライフスタイルもない。
つまり生活に売り、がない。
なくてもいいじゃないか、と思ったりもするが。
それこそマスコミに乗せられた享楽至上の、”自分らしさ”では。
大衆を洗脳する購買社会の偽装そのものなのでは。
しかし僕も一応は、見られる立場だ。自分を売って生きてる河原何とかだ。
あまりに申し訳ない。どうにも情けない。
半分は皮肉だ。あてこすり、だ。

何もなくて、いい。
何だかんだと、今の世の中、あり過ぎる。あり余り過ぎてる。
急がし過ぎる。騒ぎ過ぎる。集まり過ぎる。わめき過ぎる。焦り過ぎる。
何か何かと、求め過ぎている。
遠吠えで、いい。
僕は何もない自分をしゃべった。
何もなくて生きている、と語った。
その先は空しい死・・・わかりきった運命ならではの終焉・・・とまでは言わなかったが。
まあエロ記事だし。Hコーナーだし。
僕は、AVの中でしか取り上げられない存在なんだし。
縁起でもないことは、御法度なのだ。

ちなみに前回の記事を読ませてもらった。
正午起床。取材を受け、デジカメの整備。撮影。反省会。十日ぶりの休み。ソープ。マッサージ。友人との呑み会。サーバー機能アップ。チャット。明け方就寝・・・。
大したものだ。お疲れさま、しかなさそうだ。
僕の、ない、とは大違い。
僕はデジカメはおろか写メも使えない。
十日ぶりの仕事?
ソープは二度と行かない。
友人も呑み会も、ない。
システム開発なんて、チャットなんて、わけもわからん、十時消灯、六時起床の早や年寄り・・・。
これでも同じ性職者か。
東スポは、だから面白い・・・。

昔、日刊ゲ●ダイの取材を受けたことがある。
現在ほどではないが、かなりシビアな発言をかましていたはず。エロッぽい答えはほとんど返さず、AV業界の裏表をクソ真面目に、痛烈に批判してみせたはず。
だが、相手の記者は、結局「でも・・やっぱりナニは大きいんでしょうねぇ」てな受け答えしかしてくれなかった。
活字になってみて、唖然。
僕の発言は一字一句も残らず、すべてが創作。
誰それチャンの締まりは良かった。誰チャンのオシャブリは最高だった。あの子とのハメは仕事を忘れてタップリ抜かせてもらった。ああ、男優って最高!やめられないね!
これが、エロだ。
僕は忘れていた。
でも、心底腹は立った。自分でない紙面上の自分に、唾を吐いた。
現実というまやかしを初めて思い知った。

あれから十数年。
僕は何もなくなった。
何もなくて、いいのだ。そう思った。
僕の生活。僕の日常。
まだ死んでないだけ。
それでも、意味はある。
誰にも相容れない、僕だけの、残り灯がある。
どこまでも売れる活字にはなり得ない、生きるシロウト・・・僕は僕のままだ。



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