AV落人辻丸の言霊〜殉教録〜

アクセスカウンタ

zoom RSS ペルソナの儀式

<<   作成日時 : 2006/01/09 18:51   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

今年初めて、自分の出たAVを見た。
「女体拷問研究所6」(監督ばば★ざ★ばびぃ ベイビーエンターティメント)。
我ながら、よく出ている。出しゃばっている。
そしてオンナの顔ばかり見ている。
これでも所長だ。拷問してるんだが。

女捜査官への執拗な性感責め。
徹底した拘束悪戯。
僕は所長だ。オンナと口をきける唯一の存在だ。
もちろん会話にはなっていない。僕が一方的にしゃべる。お構いなしに言葉をかける。
一言一言、神経を逆撫でするようなことを吐く。嫌というほどムカつかせる。
ここまで醜い奴がいるか。
こんなに不快を極める存在があるか。
自分で、うんざりする。
陰険とか野卑とか、極悪とか、そんな次元じゃない。
バイ菌だ。膿だ。癌精子だ。
拷問してるんじゃない。
汚染してるんだ。腐らせているんだ。
捜査官の怒りは尋常ではない。憎悪の瞳が、呪いの炎で炸裂どころか、破裂寸前だ。
僕一人を標的に、血を吹き出さんばかりの、自爆しっぱなしだ。

だが、途中から少しムードが変わる。僕の口調が変化する。
世俗から離れた。
下世話なスケベ心が、微妙に消えた。
代わりに詩的になった。抽象的になった。ソナタになった。
牝、牝の目で見ろ、泣け、登り詰めろ、自分を見つめろ・・・。
僕はこのテのセリフはあまり吐かない。所謂クサい言い回しは、極力したくない。
根っからのドキュメント志向だから。つまりオンナとのギリギリのリアリズムを大切にするから。
SM系の責め師には、こういうのが好きな人がたまにいる。
もう、「真珠夫人」や「貞操問答」や、懐かしの大映テレビも真っ青の、天上言葉オンパレードの人もいる。
「お前のM性を開花させてやる、昇れ昇れ!イかせ殺してやる、狂え狂え!極めろ極めろ!」
かと思えば、「抵抗しろ、面白くないから抵抗しろ!」と、苦しい演出芝居。
あげくが「イけーっ、イけーっ、イくぞ、イくぞ、ほらイけっ、イけってんだ、イけぇーっ!」・・・って、あんなにしつこく怒鳴られリゃ誰だって「イく」しかないだろうが・・・。

そんな頑固職人にとても成り切れない僕が、この作品では、どこか浮遊した。
リアルを抜けてロマンに走った。
オンナのせいだ。女捜査官のせいだ。
彼女のどこか異国の血が混じったような顔だちは魅力だった。強靭さと気高さにあふれていた。
その高貴を漂わせるオンナが、あられもない格好で晒しものにされ、汗と涙と、ヨダレにまみれている。潮という名の恥液を漏らしながら、全身で啼き叫んでいる。
これ以上ない屈辱の敗北。女であることのすべてを失った崩壊の終曲。
それは美しかった。
その瞬間こそが、高貴だった。
この洗練された気品と豪奢を醸し出すオンナだったからこその、妖艶な被虐美。
僕も居住まいを正したのかもしれない。普段なら遠慮してしまいそうな解脱の世界へ、ためらうことなくハマれたのかもしれない。
彼女の顔が、そうさせた。
彼女の敬虔な、悲劇性が僕を導いた。
拷問は古典だ。
太古から連なる、人類の哀しくも荘厳な遺産だ。
許せない悪党でも、下劣なクズ共でも、それを産める。清冽な女神に触れれば、全霊で奉仕し、情欲の底から崇めれば、それは迷宮になる。
女捜査官がマリアになれる。僕なんかがシモベになれる。
これが儀式だ。
僕が永遠に探し求める、人間の神々しい、エロスの宴だ。

僕は女の顔を見る。表情を凝視する。
女の顔は、常にペルソナだ。男を惑わす黄金の仮面だ。
僕の拷問は、いかに顔を作るか、なんだ。
どこまでただの顔を、夢幻のマスクに塗り替えるか、なのだ。
そのために言葉がある、性具がある、男体がある。
今年も僕の信仰は続くのだろう。
極限のペルソナに高められた、オンナの神殿を求めて、僕は祈り続けるだろう。

この作品の評価は必ずしも高くない。
女は、顔だけじゃない?
しかし、僕はオンナを見たい。性も生も越えた果ての、オンナのアイコンが見たい。
僕の研究は、そこだ。
暗く冷たい無音の研究室の片隅で、僕は息を潜める。
殺されるまでの密猟を、地の底で辿っていく。








テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
ペルソナの儀式 AV落人辻丸の言霊〜殉教録〜/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる