AV落人辻丸の言霊〜殉教録〜

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zoom RSS カネは裏切りませんか?ら?

<<   作成日時 : 2005/12/19 19:16   >>

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「カネは裏切りませんから」
そのAV女優は、こう言った。二時間後、汚物まみれになった。
裏切らないのは、カネだろうか。裏切らないのは、彼女の心だろうか。

女子高生の制服の似合う彼女も、実は二十代後半。
ポッチャリ目のロリータフェイスだが、ひどい肩こりに、ややだぶついた下腹。
デビュー以来十本、すべてレイプかSM物らしい。
それでも明るい。芝居も元気。
だが、何よりハキハキしていたのは、控え室での携帯通話。
「だからカネなんだからさぁ・・・」
誰に話しているのか方言丸出しのタメ口。
カネ、アイツ、ダメ、だから、もう、何度も、とにかくさぁ・・・・。
会話の中身はまるで読めないが、とにかくカネを巡るモメ事であるのは、雰囲気からも知れる。
と言って、彼女、決して怒っているわけでもない。ヒステリックにまくしたてているわけでもない。イライラしている様子もない。
淡々と、冷静に、でも憎々し気に、イヤらしく、陰険に・・・薄笑いを浮かべたごく普通の、大人の態度で。
まるで中年なのだ。あるいはサラリーマンなのだ。
店のレジのあたりで金庫の金勘定でもしている喰わえタバコの女将。
駅の立ち食いソバ屋の前で、時々唾でも吐きながら延々しゃべってるドブネズミ色の親父。
若さも幼さもない、そのくせヤケに溌剌。
無垢な危なっかしさもない、だのにしぶとそうな生命力充満。
つまり不気味なのだ。
僕みたいな世棄て人には、何ともキッカイに見えるのだ。

彼女はまったくテンションを落とすことなく、広い控え室の中央を歩き回りながら電話を続ける。檻の中の猛獣系みたいに、グルグルギラギラ占有を繰り返す。
彼女は子供ではない。いつまでも甘える年でもない。少々のことで泣くようなヤワでもない。
だが、その分。恐らくその分。
彼女は人に感謝しない。
彼女は人に怒りをぶつける。
彼女は自分の、本質を確信している。
カネは彼女を感謝させる。
カネは彼女を怒らせる。
カネが彼女の、本質を支える。
檻の中にいるのは僕の方かもしれない。
飼育されているのは彼女でも、閉じ込められているのは、ウロつくことさえ出来ない、僕の方かもしれない。

僕とのシーンは、またもレイプだった。陵辱だった。
制服の上から食材を汚濁をドロドロ、ぶっかけられた。全身を汚し尽くされ、僕の言葉責めを受けた。
何も考えていないコギャルへの罵倒、クソ餓鬼への理不尽な説教。
制服を破り、顔に唾を吐き、肉棒を口へ押し込み・・・。
彼女は泣かなかった。涙は一筋二筋つたったものの、泣き出したといえるものではなかった。
言い返しもしなかった。キレもしなかった。彼女は自分の信念を守った。
仕事、仕事、お仕事。
相手は男優、私は女優。
キレなくてもギャラは出る。監督のOKはもらえる。言い返さなくても、向こうで勝手にやってくれる。つまりカネになる。

僕の偏見だろうか。
彼女にだって彼女だけの本質があるだろう。誰にも明かさない真情があるだろう。
人に感謝し、人に感情をぶつけ、自分の本質に悩み・・・しかし彼女にはカネがある。彼女にそこまで堂々と言わせるカネがある。カネという切り札がある。
その一点だけ、そのひと雫だけで、僕は彼女を愛せない。
偽善者呼ばわりされようと、彼女と同じ舞台には立ちたくない。
犯しておきながら・・・いや、犯されたのは僕の方だ。イジメられたのは僕一人だ。

「カネは裏切りませんから」
これ以上の強烈で非情で、やるせないヤジを僕は知らない。
こんなことを言われるくらい、耐え難いイジメに僕は逢いたくない。
AV女優から、AV女優だから、そんな主張、裏切ってほしい。
僕だけでいい、裏切られたままで、死んでみたい。

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