AV落人辻丸の言霊〜殉教録〜

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zoom RSS ボクだけの失敗

<<   作成日時 : 2005/11/15 08:57   >>

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またやった。またこういう失敗をやってしまった。
己の臆病さ。意欲の無さ。嫌になる。ほとほと嫌になってしまう。
僕はしょせん、人が怖い、当たり前の現実が恐ろしい。

一人の女優に様々なプレイを施す現場。ラストはノーマルな絡みだったが、いきなり僕にディレクションの依頼がきた。監督への進出をまだ諦めてはいない僕としては断る理由はなかった。それに特典映像用の、いわばオマケSEX。どこかで軽く考えていた。男優はベテラン、監督との打ち合わせも済んでるし、僕の役目はスタートとカットの掛け声と、モニター前にそれらしく座っているだけ。甘く見ていた。へたに監督経験があったことが、僕を怠慢にしてしまった。

ドラマ撮りのために監督がスタジオを出たところで、こちらの本番がシュート。強引なキスに始まり、やや乱暴なクンニから、ちょっとした強制フェラ。拉致されて散々もて遊ばれた女への性欲処理ファックとしては無難な展開だった。グッタリしつつもクンニされればやるせない声をあげ、憎いマラをも口に含む。女優の雰囲気も決して悪くはなかった。
あとは挿入、体位はお任せ・・・のはずだったのだが、だんだんと様子がおかしくなってきた。どうも変だ。何かしっくりこない。
答えはすぐにわかった。女優にほとんど反応がないのだ。問題なくピストンされているというのに、ずっとしおれたまま。最初のグッタリから何も変わっていないのだ。
朝からずっと責められっぱなしで疲れているのか。そんな様子ではなかった。膣では感じないのか。バイブで何度もイッた。
「もっとやってほしかったのに・・」監督にはこんなことも口走っていた。
どうしたんだ?
僕は迷い、正直うろたえた。このまま発射じゃいくら陵辱物とはいえ、あまりに寒い絡みだ。心は拒絶してもカラダは燃え、それがレイプAVの王道のはずだ。
案の定というか、せめてもの幸運というか、男優氏が萎えた。さすがの絶倫派も、ここまでマグロになられては気分が持続出来なかったようだ。
僕はモニターから離れて、女優の側へ行った。
全然気持ちよくないの?感じないの?
「だってグッタリしてろって言われたから・・・・」
確かに監督は、これまでの流れから身も心も疲れ切った女であるよう彼女に言った。しかしそれでもハメられたらヨガッてしまう、そんなオンナの悲しさこそがこのテの作品のテーマだ。
それくらい常識では・・・いや、そんな説明しなくてもこの感度のいい女優なら、ほっといてもアヘアヘ言うさ、そんな現場のムードがあった。
ところがその女優は、良くも悪くもわからない子だった。そう言えばローターでのクリ責めのシーンでも、イってるのに我慢してるふりをひたすら繰り返して監督を少し戸惑わせたが、それを思い出した時にはもう遅かった。
もっと感じていいから。声出していいから。むしろもっとアエいで、イきたかったらイって。
僕は単体女優にアヘ演技をつけるみたいなことをするしかなかった。同時にそんな状況に心底うんざりしていた。

撮影である以上、AVはどこまでも虚構でしかない。
それでも瞬間のリアルさ、ギリギリの真実にこだわって僕はAVを生きてきた。今日の監督にしてもファンタジーの中に咲く女の極限の絶頂、それを捉えたいと、永年頑張っている人だ。
それなのに最後の最後で、こんな定番AVのような演出をしなくてはならないとは・・・。
それだけではなかった。よりにもよって、僕の失敗はその後に来てしまった。
撮影再開。生まれ変わったみたいに女優がアエギだした。激しいピストンに申し分無く反応して、悶えまくった。バイブシーンに劣らないハイテンションのアクメぶりだった。
最初から素直にそうしてくれてれば・・・。
バックから正常位へスムーズに移行し、さらに女優は仰け反って哭き続けた。やっとAVらしい時間が戻ったような、ほっとする状況だった。
しかしまだ十分もまわっていなかったのだ。さっきまでのグッタリSEXは全然使えないかもしれない。だったらとても足りない。どうする?このまま引っ張るか?
と、迷っている僕に男優氏が確認の顔を向けた。
僕も一応男優だから、つい考えてしまう。この女ではイきにくい。感じてるのに我慢したり、良しと言われリゃ急に狂いだしたり。わけがわからない。
とても長くもたせてられない。これが限界。この女優じゃせいぜいこのラインで一杯いっぱい・・・・。
僕は何も出来なかった。尺不足をわかっていながら、男優氏の希望に沿って、発射の合図をすんなり出してしまった。
もちろんこんなことは卑怯な言い訳だ。
僕が今は監督なのだから、無理を言っても、もうひと体位、あるいは最初からやり直し、そこまで指示しても悪いはずがなかった。
たとえいびつな雰囲気になろうとも、そこは全員プロだ。言われた通りにとことんやってくれただろう。にわか監督である僕にいくら腹を立てようと、OKが出るまで頑張ってくれただろう。
それなのに僕は逃げた。ひとりだけ、現実から下りた。
どうにでも出来たはずなのに。まったく大したこともない、困難と呼ぶのも恥ずかしい程度の状況だったのに。

僕は怖かったのだ。
仕事が、人間が、現実が・・・年々遠ざかっていく僕以外の、僕を取り巻くすべてのものが。
ひとりに溺れすぎてしまったのだ。自閉と孤絶の果てが、このザマだったのだ。
僕は棄てられた人間ではない。僕の方から逃亡したのだ。みっともなくも夜逃げを繰り返して、どうにかこれまでの現実をやり過ごしてきたのだ。
こんなに弱かったのか。ここまで無気力の膿にまみれていたのか。

生きてる資格なんてない。
そう思っていた。もうずっと前から、口癖のように自分へ呟いていた。宣告していた。己を嬲っていた。
僕はそんな言葉しか持たない人間だ。自分であれ他人であれ、人間というものを罵倒し、蔑み、唾棄するしか能のない外れ者だ。
僕は当然のごとく、また失敗したんだ。
僕がこうして生きていること自体が、失敗なんだ。
それを嫌というほどわかっていて、無為に沈んでいる僕は、結局自分自身に、一番怯えているんだ。

僕はまたモニターの前に座ることがあるだろうか。
座れ、と言われたら、多分そうするだろう。
生きている限り、僕にとってはすべてが怖いことだから。男優も監督も、僕には同じ地獄だから。

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