AV落人辻丸の言霊〜殉教録〜

アクセスカウンタ

zoom RSS オノレを演じる

<<   作成日時 : 2005/10/09 17:42   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

メールでシナリオ(僕の出番部分のみだが)を送ってもらった。四日撮りの大作らしい。監督とは初仕事だが、すでに顔見知りで、僕の出た作品も何本か見ておられるらしい。このブログにも目を通していただいてるとか。そのせいか、明らかに僕というキャストを想定して書かれている。こういうケースは過去にも多少あった。光栄でもあるが、同時に複雑なユーウツでもある。

僕の役はストリップ劇場の照明マン。
こういう職人に憧れる気持ちは昔からある。永年鍛えたプロの腕一本で黙々と仕事をこなして生きているカッコ良さ。
ましてエロ業界という日陰の世界で、声高に何かを主張するわけでもなく、己の人生を淡々と辿り抜く孤高の雰囲気。
僕がなりたくてなれなかった男の生きざまだ。
大学時代、僕は出鱈目な小説を一本書いた。縄師としてアウトローに生きる不能男のモテない孤独ストーリー。なんと将来の自分を見越していたことか。
しかし、僕は数年後の自分が、不能でもモテなくても、別に構わないと思っていた(十代でカノジョの一人も作れていなかった自分を早くも半ば諦めていた・・・)。
それよりも技術が欲しかった。これ一つで食って行ける確かなプロフェッショナルになりたかった。自分を支える世界が欲しかった。
あれから二十年余。僕は今だに憧れている。天職を全うする潔さ。永遠に指を喰わえて美しい女神達をただ見守っていく、切なさと優しさに満ちた無名のロマン。
僕もAV業界に支えられている。男優だけで一応十七年食えている。
だが、どんな技術があるか、プロの腕なんて自身満々で誰に言えるか。
撮影は実際の劇場を借りてやるのだとか。
僕は臆するだけだろう。本物しか入ってはいけない厳しい舞台で途方に暮れるだろう。
自分はどういう生き方をしてきてしまったのか。
何の技術もない。確かな仕事など少しも出来ない。
「こんな面白い仕事、ないよ」
辻丸、熱く語る・・・・?
やめてくれ。頼むから、勘弁してくれ。
僕は、そんなところにいられない。人に熱く語れるものなど、どこにもない。

僕に最近来た役。
バーの客、サラリーマン、高校教師、TVプロデューサー、小説家、AV監督、レイパー、ロリコン男、女体拷問研究所所長・・・・。
大きく分ければ、女に飢えた男と、女を弄ぶ男。
今回の僕は、女に飢えながらも、ろくに相手にされず、ライトの下のストリッパー達を眺めるだけに甘んじている寂しい男。生身の女に関心を失いかけてる男。
僕もそうだ。
飢え続ければ疲れ果てて、結局代用品で満足しよう、となる。諦めの境地から、自分だけの裏切りのない桃源郷を見い出すようになる。
僕はストリッパーが好きだ。踊る女性が好きだ。天使のような華麗な舞が好きだ。
だのに一度も生で見に行ったことがない。ストリップも、ダンスも、バレエも、フィギュアスケートも・・・。
他にたくさんの客がいるからだ。僕だけの天使ではないからだ。大勢の一人でしかない自分の卑小さを思い知らされるからだ。
それくらい僕には余裕も時間もない。完璧に近い自分だけの代用品でなければ、どうしても癒されない。
こんな男が多くの他人に囲まれて性をさらすAV男優なんかやってること自体が間違いかもしれない。
いや、必ずしもそうではない。
こんな状況でヤらされるしかない憤りを、勝手な怒りを、理不尽にも相手の女優にぶつけることで僕は興奮する。それもジワジワと恥ずかしめ、精神的に踏みにじることで己のサディズムを満足させる。
ここ数年、レイプではイかない。ラブラブのセックスでもなかなか射精しにくい。
ねちっこく自分流のイジメでないと、駄目になってきた。毎回精一杯努力してみても、どうにもならなくなってきた。
そうでなきゃイヤだ、ではない。
そうするしか他に、役目を果たす術がなくなったのだ。男優でいられるには、これしかないのだ。
誰がどこで決めたのか・・・。
このシナリオでは、僕は一人の心優しい踊子に慰められる。
慈しみ合うような、切なくて温かいセックスを展開する。
出来るだろうか?
嗜虐の欲望を抑え、素直な純心さで、汚れのない乙女の慈愛を受け止められるだろうか。赤子のように、無邪気な快感に甘え尽くせるだろうか。
イジメたくなんかない。
とことん自分がみじめになるような、歪んだ偏愛で、ひとりの天使を汚してしまいたくない。
しかし・・・僕は、ただの僕だ。俳優ではない。役になり切る自信もない。自分という役にさえ正直に向かい合うことも出来ない。
ああ、わけがわからなくなってきた。
僕でいいのか。
このシナリオに生きる資格が、僕なんかにあるのか?

どんな芝居になろうと、どんな絡みになろうと、今は想像出来ない。
あとは現場のノリ次第。いつものことだ。
そしてどのような結果が待っていようと、気がついたら終わっている。はかないほど、ひんやりと一瞬で燃え尽きている。
僕は僕を演じるだけ。こんなんじゃない、と一人心で叫びながら、他人がお前だと言う僕自身を黙って演じるだけ。
じゃあどれがお前なんだ?と聞かれても、僕には何のセリフも浮かばないから。
僕はそうやって生きて来た。四十数年、毎日が、芝居だった。

「君は大理石の彫刻にペンキを塗ってしまったのだ。こんなことをやりたいのなら俳優を使ってはいけない。いや、人間を使ってはいけない。家畜を使えばいい」
                      「俳優のノート」山崎努

僕は、家畜だ。












テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
オノレを演じる AV落人辻丸の言霊〜殉教録〜/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる