AV落人辻丸の言霊〜殉教録〜

アクセスカウンタ

zoom RSS WWE3〜痛めつける人生〜

<<   作成日時 : 2005/10/14 21:04   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0

月に一度の特番をビデオで見た。2003年の「サマースラム」。
年間最大イベントの一つとしては、やや物足りない気がしたのは、やはりタッグマッチの多さだろう。全七試合中、三つがタッグ、それも4WAYに、メインまでもが実質6WAYのエリミネーション・チェンバーとあっては、ドタバタ感は否め無い。歴史と伝統を誇る真夏の祭典が一体どうしたことか。その答えは三時間を越すロング興行のラストのラストでようやく合点がいった。すべてはプロレスに、いや人生に必然の”痛み”という宿命のせいだったのだ。

当初、今大会のメインは、悪のチャンピオントリプルHに最後の大物ゴールドバーグが挑戦する世界王座戦になる予定だった。それが直前のトリプルHの負傷によって、急遽多人数バトルのチェンバー戦に変更された。シングルマッチでは体がもたないという一種の苦肉の策だったわけだ。
とはいえベルトを巡る争いが最大のテーマであることに変わりはなく、当然の結果としてラストに生き残ったのは、トリプルHとゴールドバーグだった。
ところがここまで他の四人で二十分近くも引っ張って来たサバイバルマッチが、いざ二人の一騎討ちになるや、わずか数分、トリプルHの凶器攻撃による汚い勝利でアッサリ幕を閉じてしまった。
驚くなかれ、トリプルHはたった一度のバンプはおろか、リングの片面に足を踏み入れることさえなく、試合を終えている。
これはもう何を意味しているかは一目瞭然。トリプルHは試合を出来る状態ではなかったのだ。歩くだけでもやっとの、体の痛みだったのだ。
よくスターレスラーが体調不良で休ませてくれ、とプロモーターに頼んでも、タッグマッチでいいから、コーナーに立ってるだけでいいから、と言われて出場させられるなんて話を耳にするが、まさにそれ。
これでは正直、煽りまくっての尻つぼみ、となるのも仕方のない結果だろう。
しかし、だ。
歩くことさえままならない状態で社運を賭けたビッグマッチのトリを務め抜いたトリプルH、彼に繋げるために過酷な仕掛けマッチに挑んだ他の選手達、やはりそのプロフェッショナルぶり、フォア・ザ・チームの精神には感服してしまった。
彼等だけではない。本来フロントであるシェーン・マクマホンの自殺ダイブ(コーナーポスト最上段から場外の放送席の長机目がけて落下エルボーを放つ)もあれば、悪の権力者ビンス・マクマホン(五十八歳!)は椅子の上にダイレクトで投げ飛ばされる。
大企業の社長とその息子がレスラーでもないのに、ここまで体を張るとは。
これはもう試合を越えたド迫力であり、ギミック抜きの素直な感動につながる。
彼等はなぜここまでやるのか。どうしてこれほど自分の身体を、痛めつけられるのだろうか?

プロだから、と言ってしまえばそれまでだろう。WWEが無くなったら、プロレス一本で食っていくことは事実上不可能、だから必死。確かにそうだろう。
だが、それだけだろうか。
彼等はレスラーだから、仕事だから、で片付くことだろうか。
エルミネーション・チェンバーとは重さ十トンもの鉄と鎖に覆われた巨大な要塞。とてつもなく強固な見世物小屋であり、レスラー達は牢に投獄された拳闘奴隷さながら、無防備な肉体を極太の鉄柱や鎖、頑丈な鉄格子に容赦なく叩き付け、ぶち当て合う。
プロレスはスポーツエンターティメントだから、パンチは寸止めだし、技はあくまで掛け合うものだが、相手が鉄の固まりとあってはそんな暗黙のルールは成り立たない。テレビカメラが間近で狙っている以上、躊躇した動きはすぐに視聴者から見破られてしまう。
かくしてレスラー達は本気で突っ込んでいく。リアルな痛みに向かって、恐れを知らず全身で飛び込んでいき、見事に玉砕?する。
大ケガ必至の世界。我が身を傷付けることで、逆に生き伸びて行ける非情な現実の空間。
それでもだ、レスラー達は生き生きしている。いつもいつも、輝くばかりの生命力のオーラを発散しまくっている。
シーズンオフのないプロレス界では、生きることがプロレス、ケガと付き合い続けるのが、スーパースター。
己を痛めつける人生を全うしている彼等マッスルパフォーマー達の何たる潔い美しさよ。
僕はある意味、試合を見ていない。勝ち負けも技の攻防も気にしていない。
彼等の放つ光をこそ見ていたい。それは僕もまた、肉体芸人のハシクレであり続けたいという、切ない想いからかもしれないが・・・。

もちろんAVにはケガなんて滅多にない。デスマッチも流血もない。
しかし心の傷はある。己の心を痛めつける見えないケガならいくらでもある。
さらには女優に限って言えば、自分のオンナである部分をあえて自分から痛めつけようとする、男には不可解な志向がある。
そういう人生を、なぜか自ら選択する女優が、増えてきている。

単体のソフト路線でもまだまだ売れそうな段階から彼女達はハードプレイを堂々と受けてたつ。
ぶっかけ、緊縛、アナル、中出し・・・。
アソコが痛くなるまで本番する。眼球の奥までザーメンを浴びる。変態という言葉を当然の称号として己に冠して振る舞う。
泣きじゃくりながら縄やアナルの激痛に耐え、診断書一枚を信じて生ハメし、子宮に精液をあふれんばかりに受け入れる。
ある人気女優が、こう言った。
「AVの絡みって、私にとってはスポーツ感覚だから・・・」
なるほど。スポーツなら、きついのも当たり前、痛くなるくらいも当たり前。
バカになるくらい熱中してもおかしくないし、涙を流すほど頑張るのもそこにやりがいがあるから、プレイヤーとしての感動があるから。
まして同じエンターティメント、見てもらってナンボの見世物稼業。
プロレスにケガは付きもの。人生に、傷は付きもの。AVに、痛みは付きもの。

人は痛みによって初めて人生を知るのかもしれない。傷を感じた瞬間、生きていることを実感するのかもしれない。
だから人は生きるために己を痛めつける。痛みをあえて求めることで人生を生ききる。
スターの座も、プロの誇りも、そしてカネの魅力も、気がつけば、ただ後ろにくっ付いているだけではないのか。ふと気がつけば、これまでの人生が過去というバックステージにあるがごとく。彼等の人生は舞台上にしかない。
信じられるのは、頼れるものは、今この瞬間の痛みの感覚だけ。

とは言え、その誰もが変わらないはずの痛みに彩られた人生も、また運命によって冷酷に別れる。
チェンバー戦に出た六人のレスラー達の現在、過去、未来・・・。
三代に渡るサラブレットレスラーのランディ・オートンはまだ二十代のスター候補。
最も体格に恵まれているケビン・ナッシュは、かつてライバル団体に走り、ボス的存在に登り詰めたが、その崩壊と共にあえなく出戻り、この試合でも真っ先に退場の憂き目に合う落ちぶれぶりを見せる。
彼より遥かに小柄ながら大関クラスのポジションをキープしていたクリス・ジェリコは、自らヴォーカルを務めるバンドの活動に専念するため、現在は悠悠とプロレスは休業中。
アイコン(象徴)とまで呼ばれる大スターのショーン・マイケルズは負傷による引退から奇跡のカムバックを果たし、現在にいたるもこんな危険な試合を次々こなす。半身不随になりかけながら、またリングに舞い戻る不屈の精神。にしても怖くないのか。今度こそアウト、なんて恐怖はないのか。
団体の解散によってニュースターに成り損ねた超人類ゴールドバーグは、やはり時期を逸したようで、人気は不発、わずか一年で戦力外の烙印を押されてしまう。
そしてトリプルHは・・・ボロボロの体を今もなお酷使して、団体のため、己の人生のために、痛めつける日々をローリングストーンで送り続けている。

もっとも、言うまでもなく、未来までは誰にもわからない。
レスラーであれAV女優であれ、日々の痛みが将来の自分に何をもたらしてくれるか。
わかるはずもなければ、またわかりたいとも誰ひとり思わないだろう。
なぜなら彼等は自ら直接的な痛みを求めた。精神なんてアヤフヤなものではない、己の肉感にモロに響いてくるものだけを愛して選んだ。
彼等は愚かなほどに、美しいほどに、人間的な生きざまにあると言えるのだ。

他人を傷付けることしか選ばない大多数の卑怯者、臆病者で成り立つ社会。
永遠のマイナーでありキワモノである肉体アーチスト達の、己を痛めつける聖なる人生。
僕は、彼等が好きだ。
僕もそのハシクレと、死ぬまで信じていたいのだ。








WWE トップ50・インシデンツ [DVD]
ジェイ・スポーツ
2012-06-22
amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by WWE トップ50・インシデンツ [DVD] の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
なるほど(納得、参考になった、ヘー)

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
WWE3〜痛めつける人生〜 AV落人辻丸の言霊〜殉教録〜/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる